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時流 | 土門「辛」聞

10月1日デビューの政策公庫 経営体質は変われるか!? | 農業経営者 11月号 |  (2008/11/01)

【土門 剛 -profile

新しい政策金融機関の誕生



明るい未来を支援する、「政策公庫」の誕生です——。平成10月1日スタートする株式会社日本政策金融公庫が配布したポスターのキャッチフレーズだ。略して政策公庫。4つの政策金融機関、つまり農林漁業金融公庫(農林公庫)が国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行が統合して誕生した新しい政策金融機関だ。特殊法人から株式会社に組織形態を変えた。株式は全額政府が所有。国がリモコンで操るのは変わりがない。

慣れ親しんだ農林漁業金融公庫は、1日本政策公庫農林水産事業本部という組織名に変わった。政策公庫で農業者向け金融がどう変わるのか。チェックしてみたい。その前に当局の公式見解を紹介しておこう。

「政策公庫の目的として、地方の銀行や信用金庫など民間の金融機関が融資しにくい分野で業務を行う『民業補完』を大原則とするよう、法律で定められています。…(中略)…農林公庫では返済期間が平均17年と超長期の資金を取り扱うなど、民間金融機関では対応しにくい分野で業務を行っており、政策公庫はこれらの業務を引き継ぎます」(政策公庫のウエブサイトから)。

「民間の金融機関が融資しにくい分野で業務を行う」。「民業補完」というポジションに甘んじるという意味である。旧公庫時代の基本ポリシーを引き継いだが、筆者的には、何も控え目ポジションに満足することはない。ライバルの金融機関が腰を抜かすぐらいの超低金利商品を大胆に提供してほしい。そうすれば、地方銀行や信用金庫などが金利を引き下げて農業者に多大なるメリットを与えると確信している。

(以下つづく)
※記事全文は農業経営者11月号で
Posted by 編集部 | 09:28 | この記事のURL | コメント(8) | トラックバック(0)
時流 | 土門「辛」聞

豊作予想も「やがて米価は高騰する」シナリオに変化なし | 農業経営者 10月号 |  (2008/10/01)

【土門 剛 -profile
コメ市況調査会社、米穀データバンク(東京)による08年産水稲の収穫予想が8月6日に出た。全国平均ではやや良の「102」(7月31日現在)だった。これを踏まえて20年産米の価格予想を試みたい。

その前にお詫びを一つ。この秋にも20年産米が高騰するとの予想が大外れになったことである。気象予報を過信したことによる大ヘマだった。執筆した6月中旬の気象は、東北や北海道の主産地で例年より気温が低かった。知人のプロ生産者も「ひょっとしたら冷夏かも」と言っていた。7月中旬、宮城県北部を訪れた時も、冷たく湿ったやませが吹く日もあったりして、ますます冷夏説に傾いてしまったのである。

海水温もウォッチしていた。気象庁のサイトで毎日のように日本沿岸の海水温をチェックしていた。目安は20℃の海水だ。例年なら宮城・金華山沖にあるのに、その頃は千葉の銚子沖にまで下がっていた。そんなことから、偏西風の蛇行による「西暑北冷」タイプの異常気象ではないかと勝手に素人判断していたのである。

7月下旬になって北海道や東北の気温がぐんぐん上昇した。これで生育の遅れを一気に取り戻したのである。願っているわけでもないが台風の襲来もない。スーパーコンピューターを駆使した気象庁の天気予報でさえ外れが目立つのに、経験や勘に頼る素人の天気予報が当たるわけがない。ましてやこの異常気象である。読者諸兄には、反省とお詫びを込めて「生兵法は怪我のもと」と総括させてもらおう。

コメ消費回帰で単年ベースで需給均衡か


参考に20年産米の需給状況を整理してみよう。

農水省が19年産から導入した「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」。略称、基本指針と呼んでいる。例年7月30日に公表され、その後、需給状況に大きな変化があれば、11月と翌年3月に変更することができる。自称「オッパッピー」系の読者諸兄は、そんなデータなど「興味も関心もねぇ〜」かもしれない。かく申す筆者もその一人。本稿執筆に際し、その基本指針に目を通したが、米価をあれこれ推測するうえで絶対に外せない資料には違いない。そのデータを参考にマーケットのデータなどを加味すれば、予想としては鬼に金棒になる。

(以下つづく)
※記事全文は農業経営者10月号で
Posted by 編集部 | 09:28 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
時流 | 土門「辛」聞

全中と県の農協監査体制では不正行為は絶対に防げない | 農業経営者 9月号 |  (2008/09/01)

【土門 剛 -profile
夏も始まりの頃になると、農協の総代会資料が各地の仲間から届く。3月期決算の報告が内容だ。 その中で目を引いたのは友人のSさんが送ってきた熊本・鹿本農協の総代会資料。彼はここの熱心な組合員だ。この農協のことは以前、ハウスのリース事業を展開して、多くの農家を経営破綻に追い込んだと、このコラムでもレポートしたことがある。最近は、それが原因で農家を相手に借金取り立て訴訟を連発。地元では何かと話題に事欠かない、その筋ではつとに有名な農協である。

まず総代会資料をご覧いただきたい。そんな農協でも、そこそこ利益を出していて経営上、何の問題もないように見える。それどころか自己資本比率の数字を見れば、三菱東京UFJ銀行も足元に及ばないような「超優良」の折り紙がつく立派な金融機関にも見えてくる。

資料に目を通して、思わず疑ったのは、「単体自己資本比率」が異常に高い数字であることだ。この数字は、金融機関の健全性を判断する上で重要な指標。少し聞き慣れない専門用語だが、ざっくりと言えば、従来の「自己資本比率」のことで、平成18年度からこのような名称になった。「単体」という表現を使い始めたが、これは「連結」に対する用語と思えばよい。つまり農協「単体」の自己資本比率ということと理解していただきたい。(以下つづく)
※記事全文は農業経営者09月号で
Posted by 編集部 | 09:28 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)