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(株)ケーアイ・フレッシュアクセス(KIFA)は青果物流通の中間業者として、卸売市場の最大手、東京青果に匹敵する事業規模を持つ。これまでは輸入農産物を中心に取り扱ってきたが、いよいよ国産青果物の流通に乗りだした。また、流通改革するための重要な要素としてGAPを掲げている。なぜGAPが必要なのか、流通業者がGAPをどう評価しているか、激変する流通への対応策を松丸正明社長にうかがった。同社の販売額は約650億円、サービスセンター(流通センター)の取扱高約900億円。
―青果物流通の一環としてGAPを位置づけておられますね。
日本で流通する青果物は年間で約5兆円ですが、このうちロスとして捨てられる部分が約30%といわれている。それを負担しているのは生産者です。当社はこのロスを減らし、生産から流通までを一気通巻させることを目的に1998年に設立しました。当時は法制度によって卸売市場が守られていたこともあり、市場外流通を行なう当社が国産青果物にすぐに手を出さず、輸入品から着手しました。大手スーパーなどの取引先に「いつ、どのぐらいのどういう品質のバナナがほしいのか」という情報を入手した上で、それらを流通させる仕組みを作り上げた。1999年、2004年と相次いで卸売市場法が改正され、「そろそろ国産の青果物も体制を整える時ではないか」と感じたのです。国産の青果物流通の改革にGAPは重要な要素になると思ってきました。(以下つづく)
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中国ではEUへの果実の輸出増加などを背景に、GAPが急速に普及している。現在約300の農場がGAP認証を取得し、GAPの研修を受けた人が5万人におよぶ。日本では「中国製の食品は危ない」という報道が過熱しているが、中国産農産物の世界における位置づけが高まっている現実にも目を向ける必要がある。
このところ、中国製の食品に対するバッシング、ネガティブキャンペーンが繰り広げられている。練り歯磨きに始まり、ドッグフード、ウナギ、段ボール入り肉まんと「中国製は危ない」という情報がマスコミを通じて大々的に報じられており、とどまるところを知らない。
「やらせ」だった段ボール入り肉まんを除き、一部の企業、商品についてはおそらく報じられた通りだろう。しかし、他方ではきわめて安全性が高く、衛生的な食品が生産されており、世界での評価を高めていることを無視すべきではない。メイドインチャイニーズが世界のマーケットで確実に布石を打っていることはGAPへの取り組みからもわかる。
(以下つづく)
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アイアグリ株式会社といばらき農産物流通研究会(ともに茨城県)が、JGAPの普及および同認証取得済みの農産物の販路開拓に取り組んでいる。すでに流通業者への販売も始まった。JGAPに対する理解を深めるセミナーも県内各地で開催中だ。
全国各地に農業資材店「農家の店しんしん」を展開するアイアグリは、店舗ごとに2名程度のJGAP導入指導員を配置し、JGAPに取り組みたいという農家に指導を行なっている。
いばらき農産物流通研究会(以下、農流研)はJGAPの認証を取得した農産物の有利販売を目的として2006年1月に発足した組織だ。現在、正会員として46農家、賛助会員として10企業が参加している。
アイアグリの玉造和男社長は、「グローバル化が進むなか、農産物の価格下落は今後も続くだろう。そういう時代で生き残るには、規模拡大によるコストダウン、農業資材をより安価に買う、あるいは農作業の各段階で蕫安全﨟を証明できるGAPの取得などが農業経営の1つの形になっていくだろう。そういう考えで当社もJGAPに取り組むようになった」と話す。
(以下つづく)