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第3回 確定申告を有利に行うテクニック(その1)所得税は、暦年中(つまり1月1日から12月31日まで)の個人の所得、すなわち給料・賃金や、商売の利益、あるいは土地や株式を売って得た利益などに国がかける税金です。 基本的には、所得を10種類(表1)に分けそれぞれの所得ごとに収入金額から必要経費の範囲や課税方式を定めて、10種類を合算し課税総所得に対し、所得が多くなればなるほど高い税率で課税されます。これが超過累進課税といわれるものです。 大まかな流れは表2のとおりですが、具体的に下記に説明していきます。 表1 所得税の計算方法
表2 税務計算の簡単な手順 【各所得の計算】 最初に、各収入を10種類の所得に分類し、各所得ごとに経費として認められる支出を差し引き、各所得金額を割り出します。 給与所得の税金 給与収入とは、勤め先から受け取る月給や賞与のことです。所得税法では
「給料・賞与並びにこれらの性質を有する給与」を給与所得としていますから、家族手当や住宅手当も給与所得にあたります。また、現物支給も給与扱いになります。こうして計算された収入から「給与所得控除額」を差し引いたものが給与所得となります。 退職所得の税金長い間働いて手に入れた退職金は普通、大きな額になります。これを他の所得といっしょに課税してしまうと、一時的に所得が増えて税金の負担が重くなってしまいます。そこで、退職所得は、他の所得とははっきり分けて”分離課税” されることになります。また、現物支給も退職金です。
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課税所得 | 税率 | 控除額 |
300万以下 | 10% | ― |
300万超〜600万以下 | 20% | 30万円 |
600万超〜1000万以下 | 30% | 90万円 |
1000万超〜2000万以下 | 40% | 190万円 |
2000万超 | 50% | 390万円 |
納税額についての説明は以上のとおりです。ここから納税額を減少させる幾つかのテクニックをご説明します。
まず、所得の計算の段階で1例を挙げるとすれば、生命保険の満期金があります。生命保険の満期金は、表4のように、保険料の負担者と保険金受取人が同一人の場合受取の方法により、一時所得又は雑所得として課税されます。
表4
保険料負担者 | 保険料受取人 | 税金の種類 |
A | A | 所得税 |
A | B | 贈与税 |
一時所得となり、この場合の所得の金額は、受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料を差し引き、更に一時所得の特別 控除50万円を差し引いた金額です。課税の対象になるのは、この金額を更に1/2した金額です。
雑所得となり、この場合の所得の金額は、その年に受け取った年金の額に対応する払込保険料の額を差し引いた金額です。受け取る際は、原則として所得税が源泉徴収されます。
ではどちらが有利なのか?雑所得の場合は年間20万円迄は非課税となりそれを超える場合は一時所得の50万円の特別 控除を活用しましょう。一時所得に持ち込む方法に、満期の時期を1年づつ遅らせ、毎年50万円の控除を使用する方法もあります。
例えば他の所得があり満期保険金300万円、支払い保険料100万円、税率10%の場合、一時所得であれば
300万円―100万円―50万円=150万円
150万円×0.5×0.1=75,000円(納税額 )
使用可能金額は
3,000,000円―75,000円=2,925,000円
となり、300万円の満期を数口に分けてたり、加入時期を変えたり(金利変動の影響あり)して満期を1年づつ遅らせ30万円の10年で受領すれば、
毎年30万円―50万円=−20万円=0(課税所得)
となり、納税受け取りは10年間で
30万円×10=300万円
となります。
雑所得として5年間で受け取る場合、1年間では
60万円−20万円=40万円
となり、非課税となる20万円を超えるため
40万円×10%=4万円
5年間総計で
4万円×5年=200,000円の納税
使用可能資金は
3,000,000円―200,000円=2,800,000円
という計算になります。
この所得補償保険というのは、被保険者の病気やけがにより勤務や業務に従事できなくなった期間の給与や収益を補償する損害保険契約で、所得税法では、病気やけがを原因として受けた保険金は非課税とされています。
この所得補償保険契約の保険料や掛金は、通常生命保険料控除の対象になります。また、事業主が自らを被保険者として所得補償保険契約の保険料を支払っても事業上の必要経費にはなりませんのでご注意を!
もっとも、給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
不動産や株と同様、ゴルフ会員権相場は、依然として下落しており、バブル以後に購入したゴルフ会員権は、そのほとんどが含み損を抱えているといえます。現在、このようなゴルフ会員権を売却すれば、売却価額が購入価額を下回る、つまり譲渡損失が発生するでしょう。
ところで、個人で所有するゴルフ会員権の譲渡損失は、他の所得(給与所得など)と通 算することによって、当人の納税額を減らす効果があります。つまり、他の所得の合計が500万円でも、譲渡損失が300万円あれば、その人の所得は200万円として計算されることになるのです。
この場合、500万円の所得の方は納税額が
500万円×20%−33万円=67万円から
500万円−300万円(譲渡損)=200万円
と課税所得が減額となり、納税額は
200万円×10%=20万円
と変わります。
医療費控除額を算式で表すと、次のようになります。
(その年中に支払った医療費)−(保険金などで補てんされる金額)=(A)
(A)−(10万円または所得金額の5%、どちらか少ない金額)=医療費控除額(最高で200万円)
共働き夫婦で、別々に税金を支払っていても、医療費控除は夫婦いずれかにまとめて申告できます。所得税は累進税率といって、所得が高くなるほど税率が高くなるので、家族の中で所得の一番高い人が医療費控除をまとめて申告するのが税金を多く戻すコツになります。
例えば、ご主人の所得が500万円で税率は20%、納税額は67万円、支払った医療費が20万円、奥様の所得200万円の税率10%、納税額20万円、支払った医療費が30万円のケースであれば、個々に医療費を負担し申告したときの納税額は
ご主人 500万円―(20万円−10万円)=490万円 490万円×20%−33万円=65万円
奥 様 200万円―(30万円−10万円)=180万円 180万円×10% = 18万円
ですが、ご主人がこの総額の医療費を負担し、所得から控除すると
500万円−(30万円+20万円―10万円)=460万円 460万円×20%−33万円=59万円
となり家庭としての納税額は個々に申告した場合の
65万円+18万円=83万円
よりご主人が申告することで
59万円+20万円=79万円
となり4万円納税が減ることになります。
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