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長引く経済低迷により、日本国家は破綻といっても過言でない状況下にあります。例えば厚生年金等の公的年金は支給年齢が繰り下がったり、減額になったり健康保険も…といったことが相次いでいます。 まず、その前提となる知識として、個人事業者と法人はどのような違いがあるのかお話したいと思います。 【法人の種類と税率(国税)】 法人にも数種類あります(表1参照)。税率に若干の違いと、不動産の譲渡等多少特別 な部分はあるものの、根本的には法人の税務申告は極めて単純で、「売上(収入)― 税務上経費となる支出」=「益」か「損」かに分かれます。 表1
【個人の所得は10種類】 これに対し個人の場合は、次の表2のように10種類に分かれます。この10種類の所得を合算し、合計金額に応じた税金を納税します(表2、3参照)。 法人も個人も表の数値は国税(取得税)のみの比較ですが、税率の違いに気付きますね。個人所得で1800万円を超えると法人税よりも高い税率となりますから、この場合は個人事業ではなく法人を設立し、法人から給与としてもらう方が手取額は増える計算になります。 表2
表3
このように、個人の所得は実は法人の経費として支出されている部分があります。例えば個人事業主でありながら、法人の役員を兼ねており役員報酬を得ている人は、確定申告で事業所得と給与所得の2種類を申告することになります。さらに生命保険の解約金や公的年金があれば、一時所得と雑所得が申告に追加されることになります。 今後の連載の中で「法人なりのメリット」として所得税(国税)、住民税(市県民税)、健康保険税他細分化し詳しく触れます。ご記憶いただきたい事は、私たちが一般
的に負担している主な公費は所得税、住民税、健康保険税ですが、それぞれ課税対象となる所得の算出方法が違うということです。 ヒアリングシートについて(1) 経営品目
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現在(会社A) | 別法人 | 会社A | |
売上 | 3000万円 | 1000万円 | 2000万円 |
経費 | 2000万円 | 600万円 | 1400万円 |
所得 | 1000万円 | 800万円 | 600万円 |
納税額 | 236万円 | 88万円 | 132万円 |
資本金により違いが出てくる主なものとして交際費の非課税枠があり、その違いは次のようになります。
さらに赤字、つまり所得税(国税)が0の場合でも、道府県民税の均等割の納税は必要で、資本金や従業員数により表5のようになります。
資本金額は財務改善の提案をするに当ってとても大切な項目です。
期末資本等の金額 | 道府県民税の標準均等割税額 | 市町民税の標準均等割税額 | |
従業員数50人以下 | 従業員数50人超 | ||
1,000万円以下 | 年額2万円 | 年額5万円 | 年額12万円 |
1,000万円超1億円以下 | 年額5万円 | 年額13万円 | 年額15万円 |
1億円超10億円以下 | 年額13万円 | 年額16万円 | 年額40万円 |
10億円超50億円以下 | 年額54万円 | 年額41万円 | 年額175万円 |
50億円超 | 年額80万円 | 年額41万円 | 年額300万円 |
【具体例】従業員50人以下で、資本金(正確には資本の額)が1100万円の株式会社(資本準備金はない)が、資本を減少(減資)させ、資本金を1000万円にするとします。現在は資本金が1100万円ですから、「法人住民税の均等割税額」は「道府県民税の均等割税額」の年額5万円と「市町村民税の均等割税額年額」13万円との合計額18万円を支払っているはずですから、「年額最低額」は18万円になります。
しかし、資本金が1000万円になれば、「法人住民税の均等割税額」は、「道府県民税の均等割税額」の年額2万円と「市町村民税の均等割税額年額」5万円との合計額7万円になります。
「法人住民税の均等割税額」は、11万円(18-7万円)が軽減されます。
(注)実際の手続きは決算分析その他状況を勘案して行うこととなります。
個人の方は(5)を、法人の方は(6) をご記入いただくのですが、法人の方も(5)の記入をお願いします。主として助成金の提案や借入用の事業計画作成に使用しますが、その他役員(経営者)退職金の適正額を算出する場合、在職期間がポイントとなります。
【退職慰労金の適正額(※功績倍率は業種や企業規模によってまちまちです)】
退職慰労金=最終報酬月額 × 役員在任年数 × 功績倍率
※非上場中小企業・常勤役員在任1年あたりの功績倍率…会長2.6倍、社長2.5倍、副社長2.3倍、専務1.9倍、常務1.6倍、取締役1.3倍
【退職所得控除】
退職金は退職後の生活を支える資金源であるため、他の所得に比べて税制面
で有利に扱われており、勤続年数に応じた金額を退職所得控除額として納税額算出の際、受け取る退職金から控除することができます。
勤続年数が20年以下の場合…40万円 × 加入年数(最低80万円)
勤続年数が20年超の場合…70万円 ×(加入年数20年)+ 800万円
経費となる保険等を活用し、これらのデータを事業継承(社長退職後)や従業員への福利厚生プランに役立てます。
(7) から(9) は表6の基本データですが、その中でも経費としての内、家族への給与は重要なポイントとなります。
現在事業所得(法人、個人を問わず)が▲180万円とします。配偶者への給与を0にしても事業所得は0で納税は発生しないまま(法人の場合均等割は残ります)、現在配偶者が支払っている所得税、住民税がなくなります。他に、配偶者の収入が130万円を超えている場合、健康保険税を負担していますから、その分もなくなります。実際は配偶者の労働状況を勘案し、適正額に減額という方法を採ります。
所得税 | 住民税 | |
配偶者給与 | 180万円 | 180万円 |
給与所得控除 | 72万円 | 72万円 |
基礎控除 | 38万円 | 33万円 |
課税所得 | 70万円 | 75万円 |
納税額 | 7万円 | 3万7500円 |
労働保険(労災保険、雇用保険)に正しく加入しているかのチェックと、崩壊しつつある公的保障(健康保険、厚生年金)にどう対応していくかの提案をします。
20代から60代まで、従業員それぞれの人数を入れて下さい。厚生年金の支給年齢の繰り下げや減額が取りざたされる中、世代に応じた年金や退職金の積み立て方法を提案して参ります。また60歳代の人材を大切にする場合は、次の助成金の対象となります。
【継続雇用制度奨励金】
平成14年4月1日以後に継続雇用制度を導入し、申請する場合には、「60歳以上の定年制の実施日から1年以上経過後にその継続雇用制度を実施した」場合に適用されます。ただし、高年齢者事業所を設置する事業主は除かれます。また、5月1日以降に継続雇用制度を導入する企業については、定年延長等として認められる再雇用制度として、就業規則文面
に「同一の労働条件(労働時間、賃金制度等)との文面を記載する必要があります。
表7の改正の対象となるのは、平成14年4月1日以降に継続雇用制度を導入し、申請する事業主です。
61〜64歳の定年延長等の場合 | 65歳以上の定年延長等の場合 | 65歳以上のその他の継続雇用制度 | |
1〜9人 | 35万円 | 45万円 | 30万円 |
10〜99人 | 75万円 | 90万円 | 60万円 |
100〜299人 | 150万円 | 180万円 | 120万円 |
300〜499人 | 185万円 | 225万円 | 150万円 |
500人以上 | 250万円 | 300万円 | 200万円 |
労働保険や社会保険といった福利厚生と次の助成金の提案を行います。
【新成長分野雇用創出特別奨励金】【特定就職困難者雇用開発助成金】
対象労働者雇入れ後1年間(重度障害者等は1年6か月)に支払われた賃金の額に相当する額として、厚生労働大臣が定める方法により算定した額の4分の1(中小企業事業主は3分の1)が助成されます。
特定求職者とは60歳以上の高年齢者、身体障害者、知的障害者、母子家庭の母等、45歳以上の求職者手帳所持者、特に就職が困難と認められる者で、雇入れの日において、65歳未満の者に限ります。
従業員が10名以上になると就業規則を作成し、労働基準監督署への提出が必要となります。就業規則は厚生労働省のホームページからもダウンロードできますが、独自の雛型も用意してあります。本格的に事業に沿ったものを作成したい場合には、社会保険労務士をご紹介いたします。有利な点は、単独で社会保険労務士に依頼するよりも法務、税務等多角的な側面 からご指導できることにあります。
法人を複数所有することによって、事業収入を有効に活用し使える資金が増えることがあります。現在の法人所有数を教えてください。活用方法の提案精度が上がります。
消費税には原則課税、簡易課税(年商2億円以下の法人だけに適用)の2種類があり、消費税対象となる経費の金額で有利な方を選択します。
【消費税の仕組みについて】
●原則課税の仕組み
売上時に徴収した消費税額から仕入時に支払った消費税額を差し引いて算出します。
★原則課税による納付税額の計算方法
売上にかかる消費税額 (A) 500円から、仕入れにかかる消費税額 (B)
400円を引きます。
●簡易課税の仕組み
売上時に徴収した消費税額から一定率の「みなし仕入率」を計算して差し引きます。
【みなし仕入率】
例えば製造業の場合は粗利益率を70%とみなして、
「仕入れにかかる消費税額 (D) = 500 × 70% = 350円」となります。
★簡易課税による納付税額の計算
売上にかかる「消費税額 (C) 500円」から仕入れにかかる「消費税額 (D)
350円」を引きます。
(17) 設備投資の予定
厚生労働省の助成金では設備投資がポイントとなる時があります。支出した後では対象となりませんので、予定があれば先にお知らせ下さい。また上述の原則課税の場合、設備投資の額に応じた消費税の減額がありますし、課税売上を超える支出であれば還付されることもあります。簡易課税の方でも原則課税に変更することで還付対象となり得るのです。
次号より事例紹介を交えつつ、より具体的に経営改善の方途・あり方について探っていきたいと思います。
【コンサルティングの手順】 ヒアリングシートに記入しFAX |
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