【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -
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今年の稲作は、地域によって想像を絶する悪条件が重なり、収穫皆無というケースもあると聞く。本当にお気の毒なことである。資産維持的な農家はともかく、兼業であれ生活の基盤をそこに求め、さらにその発展を目指して大規模化した人々の被害額の大きさなどを耳にすると、身につまされる。
しかし、ひどいことを言うヤツだと思われるかもしれないが、今年の「不作」が、歴史に残る不良天候による「冷害」であったことは違いないにしても、そこには「捨て作り不作」や、まさに「江刺しの稲のたくましさ」(本誌創刊号19頁参照)が我々に教えてくれる「作物自身」や「土」が本来備えている生命力を無視した技術・経営観がもたらした「農法的不作」という側面がないのかを問うてみる必要はあるまいか。