【農村経営研究会】2018年第1回定例会のご案内
農村経営研究会2018年第1回定例会5月29日(火)のご案内です。
今回の研究会では「松尾雅彦氏は農村経営の未来に何を残したのか」というテーマで会員の枠を超えてシンポジウムというより参加者による座談会を開催したいと思います。話題の引き出し役として五十嵐淳氏(一般社団法人山形県農業会議総務企画課課長)、降矢敏朗氏(放牧養豚実践者)、浅川芳裕氏(『スマート・テロワール』の共著者)にお願いし、昆吉則が進行役をさせていただきます。
すでにご案内の通り2月12日に本研究会アドバイザーの松尾雅彦氏が亡くなられました。
松尾氏には1月18日に開催された『農業経営者』『農村経営研究会』の新年会で乾杯のご挨拶をいただきました。その時のご様子では、かような急逝は思いもよりませんでした。『農業経営者』誌上では4、5月号において松尾氏を追悼する特集を発行し、同氏のインタビューや対談記事などを再録させていただきました。それを読むと松尾氏のCalbeeという会社経営を通しての実践、それは単に加工ジャガイモ産業の確立を通して農業に大きな可能性を提供したにとどまらず、これからの日本農業の在り方の一方向を示すものでもありました。戦後の欠乏ではなく過剰の社会の中では農業者と加工業者がアライアンス(同盟関係)を組み消費の要求に応えていくこと。それがCalbeeの農工一体の理念でした。
そして、その理念が晩年の著書「スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換」で語られ、その活動を通して伝えてきた地域消費圏での「団体戦」でした。農業だけでなく地域の加工業者をはじめ、あらゆる事業者たちが個人戦ではなく団体戦で地域を盛り立てていくこと。地域への愛着と誇りをもとにその経営力を生かしていくこと。その時、農業界にある「水田」あるいは「コメ生産」への執着から脱却し、コメ作り以外に畑作物、飼料作、そして放牧を含む畜産の連携によって循環する農業の姿を目指そうと呼びかけました。さらに、農村経営研究会では30年後の自らの村の理想像を描けと会員に指導されていました。
研究会会員に限らず松尾氏はこれからの日本の「農村経営」のために何を語り、何を残されたのでしょう。今回の研究会では、松尾氏の残した言葉と実践をそれに関わってきた人々の報告を含めて、これからの農村経営の在り方に関心を持つあらゆる人々が集い、皆さんによる座談会を開催したいと思います。
皆さまのご参加お待ちしております。
農村経営研究会
事務局長 昆吉則
【日時】2018年5月29日(火)
定例会 14:00~17:30/懇親会 18:00~20:00
【会場】 シチズンプラザ 2F会議室
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-29-27
http://www.citizen-plaza.co.jp/access/
【当日の会費】
農村経営研究会会員(1名様):無料
会員同行者(1名につき): 2,700円 (税込)
一般参加者:1人目 4,320円、2人目より 2,700円 (いずれも税込)
※参加希望者による懇親会会費3,000円は懇親会会場で集金いたします。