【農村経営研究会】第1回定例会
農村経営研究会では第1回定例会として、福島県郡山市の降矢敏朗氏((有)降矢農園・代表取締役)に話題提供をお願いしての研究会を行ないます。テーマは、流通を通して農産物を供給するのではなく、お客さんを地域に呼び込み、その産品への評価と生産者の取り組みやその風土そのものに対する共感をベースにした農業・農村ビジネスの可能性を検討することを取り上げます。研究会会員の皆さまはもとより、一般の皆さまにもご参加いただき、内容を深めてまいりたいと思います。
日時:2014年5月29日(木) 13:30~17:00
会場: シチズンプラザ
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-29-27
http://www.citizen-plaza.co.jp/access/
(有)降矢農園は水耕栽培のスプラウト(ブロッコリー・マスタード・レッドキャベツ・クレス)・サンチュ・豆苗・カイワレ大根・夏イチゴの生産販売で有名な農場です。その他、コメや放牧養豚による豚肉生産などさまざまな取り組みをされています。
会社紹介URL:
http://www.wakanaya.com/company.html
福島県郡山市にある同農場では放射性物質に対する検査体制を整え、安全な農産物供給に務めていることは言うまでもありませんが、同農園を含めて福島県の生産者は福島第1原発の事故による風評被害に経営的打撃を受けています。降矢さんの事故発生以前から取り組んできた放牧養豚による産地づくりや様々な農産物生産や地域開発に関する経験やご苦労を伺いつつ、新たな農村開発の可能性を皆さまとともに考えたいと思います。
福島県産で流通している農産物は、すべて安全基準をクリアした農産物です。それにもかかわらず風評被害により同県産の農産物は流通段階で“買い叩かれる”状況が続いています。しかも、モモのように時期により産地が移動し、小売の店先で必要とされる産品についてはそれほどの価格差はないのですが、その他の作物に関しては、他県産と比べて仕入れ価格が低くなっているという現状があるようです。これは、“風評”を理由にした流通業界の買い叩きというべきではないかと私は思います。
こんな経験があります。事務所のある高田馬場の地域イベントで、本誌の読者の農産物を展示即売したことがあります。その際に「福島のりんご」とポップを立てて販売をしたところ、他のどの地域の農産物より先に売り切れになりました。風評被害を受けている生産者を支援することに消費者としての満足あるいは責任を感じている顧客がいる。しかし、そんな顧客のニーズに応える努力を流通・小売業者は忘れているのではないのかと私は感じました。顧客が求めているのは“低価格”だけではなく、消費者としてのさまざまな“満足”です。その中には、風評被害を受けている福島産の産品であればこそ、積極的に買いたいという消費者だからできる振る舞いを行ないたいという思いもあるのです。
流通・小売業が“風評”を理由に“買い叩き”をするというのなら、お客様を地域に呼び込むことで可能になる、新たな顧客満足を作り出すことはできないのだろうか。さらに、原発事故にかかわる風評被害を克服するだけではなく、お客様を地域に呼び込むことで可能になる新たな農業・農村の可能性を考えてみましょう。
ご関心をお持ちいただいている皆さまのご参加をお待ちいたしております。
【農村経営研究会】 昆 吉則
【当日の会議次第】
1.事務局挨拶
2.新会員紹介
3.視察会第一弾(みわ・ダッシュ村を訪ねる)の報告
4.降矢敏朗氏による話題提供と全体討議
5.今後の予定について (第2回研究会および視察会第2弾など)
6.総括
7.閉会
【当日の会費】
農村経営研究会会員(1名様):無料
会員同行者(1名につき): 5,400円 (税込)
一般参加者:1人目 10,800円、2人目より 5,400円 (いずれも税込)
お申し込みは、5月16日(金)までにお願いたします。