【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -
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日曜日の朝は民放各局のニュースショー番組を見るのが習慣になっている。コイズミ状況劇場だけではない。大リーグで活躍する若者たち、そしてなにより、それらの活躍に快哉を叫びながらも自己撞着に陥っているマスメディアと我々日本人の姿がそこに見えるからである。「球界のご意見番」とかいう人物が現役選手たちの一挙手一投足に揚げ足を取りながら「渇ァーツ」などと吠えている番組がある。「往年の名選手」たちがかび臭い俗物オヤジの御託を垂れ流している。それを毎週うんざりしながら、だけど興味をもって眺めているのだ。
それは典型的な形で示された“村”社会での多数派による己を危うくするチャレンジャーや新時代を切り開く者へのイジメに見える。同時にそれは現代の日本とその中にある様々な業界(むら)を支配してきたお山の大将たちやその取り巻きたちが、歴史の地殻変動に揺れる砂山の上でうろたえている姿でもあるのだ。