外国人の目から見た我が国の大麻取締法制の異常さ
【講師:パトリック・コリンズ氏(麻布大学 環境科学科 経済博士 教授)】
今回は、麻布大学教授で環境経済学を研究している英国人のパトリック・コリンズさんを講師にして「外国人の目から見た我が国の大麻取り締まり法制の異常さ」というテーマでお話しをしていただきます。
もしかすると『農業経営者』が「大麻」について特集をしたり、専門家にその連載をお願いしたりしていることに眉をひそめておられる方がいるかもしれません。
有名人が「大麻取締法で逮捕」などというニュースがセンセーショナルに、それもスキャンダラスに報道される。こういうことが日常化している我が国では大麻に関して偏見を持つ人が多くても止むを得ないでしょう。また、「悪法も法」です。法治国家の国民である我々はそれに従わざるを得ません。
しかし、10月号の特集にある通り、敗戦後の日本に大麻取締法を押し付けた米国ですら、麻薬成分のない産業用ヘンプを合法化している州が33州、さらに医療用の大麻生産の合法化も29州に及んでいます。加えて、嗜好用大麻を合法化している州も8州あるのです。その他、EU各国でも産業用大麻の農業・産業的可能性に注目して生産が拡大しています。それは、マリファナの成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)などに関する研究が進み、1996年にドイツで産業用ヘンプのTHC濃度に関する国際基準が設けられたことがきっかけとなっています。さらに、大麻の持つ農業および様々な産業的可能性が注目されてきたからです。
にもかかわらず、我が国では、THC濃度が0.3%以下という産業用大麻を含めて規制の対象になっているのです。農業のために、そして国益のために改正されるべき大麻取締法による規制に関してより幅広い皆様に理解を広めていく必要があります。
この世界の動向を紹介した『農業経営者』10月号をぜひご覧くださるとともに、今回のセミナーに数多くの皆様がご参加されることをお待ちいたしております。
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講師プロフィール
1952年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で理学と経済学を学んだ後、インペリアル・カレッジの経営学部にて修士号、博士号を取得。研究太陽発電衛星および宇宙旅行の経済性についての研究を行なう。一方で日本の麻に興味を持ち、麻が地方を創生し、しかも地球環境にとっても優れたビジネスであるという立場で研究を続けている。99年より麻布大学で教鞭を執り、生命・環境科学部環境科学科・環境経済学研究室・教授を務める。
【日時】
2017年11月1日(水)16:00〜18:00
【会場】
シチズンプラザ[高田馬場]2階 会議室
〒169-0075 新宿区高田馬場4-29-27
【参加費】
『農業経営者』定期購読者 2,160円(税込)
『農業経営者』プラチナ会員 無料
一般参加 10,800円(税込)
※ 今回、年間購読のお申込をいただいた場合も受講料は2,160円(税込)となります。