『農村経営研究会』2019年第3回定例会
村の自立を目指す「日本で最も美しい村」連合 〜都市の企業と地域との関わり方〜
【講師:加藤俊宣氏(NPO法人「日本で最も美しい村」連合 理事・事業委員会副委員長、(株)革新企業研究会 代表取締役)】
今回の定例会は、各地の農村経営の取り組みへの参考にして頂きたく、NPO法人「日本で最も美しい村」連合 理事・事業委員会副委員長、(株)革新企業研究会 代表取締役 加藤俊宣(かとう・としのぶ)氏を講師に迎えます。
加藤俊宣氏は、NPO法人「日本で最も美しい村」連合の運動に大きな貢献をしている方です。農村経営研究会の元アドバイザーの故松尾雅彦氏が立ち上げに貢献し副会長を務めておられていたことや、最近では、各種マスコミでも取り上げられていることから、ご存知の方も多いと思います。
NPO法人「日本で最も美しい村」連合は、2005年に7つの町村からスタートした住民による運動です。素朴な美しい村を厳選し紹介する「フランスの最も美しい村」運動にならい、失ったら二度と取り戻せない日本の農山漁村の景観・文化を守りつつ、最も美しい村としての自立を目指しています。現在、日本では60以上の町村が加盟しており、2010年には、フランス、イタリア、ベルギー(ワロン)の「世界で最も美しい村」連合会に加盟しました。
「日本で最も美しい村」連合の最大の特徴は、加盟した自治体の活動資金が国や県の補助金ではなく、自立しようという地域住民と、その志を応援する企業サポーター・個人サポーターが一緒に資金を賄い、一緒に活動するという点です。現在、サポーター企業は約90社に達しています。
松尾雅彦氏と30年来の付き合いだった加藤氏は、連合の設立時に運営の協力者として運動に参画しました。以来、14年間にわたって全国を飛び回り、企業と地域をつなぐ仕組みをつくり、地域の自立を支える活動をしてきました。
「私たち団塊の世代は、一生懸命勉強して東京に出て、60歳の定年まで働けば豊かな国ができると信じていた。しかし、衣食住が足りた先進国のなかで、世界一不幸な国をつくってしまった。一企業がいくらがんばっても、日本の首都の人も、地域の人も幸せにならない。そんな国をつくった世代の責任としてできることは何か。自分たちの村に誇りをもち、国に頼らず自立しようという人たちを、都会でお金を稼いだ人が応援するという構造をつくること。つまり、都市と農村の融合である。企業と地域の関わり方というのは、私にとって経営コンサルタントとしてのひとつのテーマだった(『農業経営者』2018年6月号 松尾雅彦氏追悼記事より)
「日本で最も美しい村」連合が目指すもの、加盟町村の取り組み、都市の企業と地域とのつながりのあり方などをお聴きした後、加藤氏を囲み意見交換会を開催します。
『農業経営者』編集長・農村経営研究会事務局長 昆吉則
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「日本で最も美しい村」連合に込めた志
【日時】
2019年10月16日(水)
講演14:00〜17:30/懇親会18:15~20:00
【会場】
シチズンプラザ[高田馬場]2階 会議室
〒169-0075 新宿区高田馬場4-29-27
【参加費】
農村経営研究会会員・会員同行者:無料
一般参加 11,000円(税込)/一般参加者同行者 5,500円(税込)