【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -
profile
】
米や野菜の市況が下がるのを暗い顔をして眺めている男たちがいる反面で、全国の農村から女たちの弾んだ声が聞こえてくる。女たちのこの元気さは何なのだろうか。
ファーマーズマーケット、農家の店、日曜市、直売所、行商、庭先販売。呼び名は様々であるが、そこには自ら顧客と出会い『売ること』あるいは『商売』に取り組むことへの意欲があふれている。それは地場流通の活性化という以上に農業界の意識改革を促すものになっていくのではないか。
その中心になっているのは女性だ。そして、行政や農協のリードというより販売者たちの自由な競争や健康な商売への熱意こそが販売所を活気付けている。チャンスは誰にも平等に与えられるが、結果は平等ではない。顧客に選ばれる競争、顧客との出会いを通して商売する喜びに気付いていく。