【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -
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『これで国産野菜が救えるか?』と題された土門剛氏の連載『農と食産業の時々刻々』(今月号28頁)をお読みいただきたい。先頃農水省が出した『野菜政策の展開方向と対策について』というレポートに対する批判を展開している。筆者も大筋においては土門氏の批判が当を得たものだと考える。
基本的にとは、大小様々な農業経営者自身の自助努力による経営改革なしには日本農業は救われないということ。そして構造政策の必要性である。
さらに言えば、お役人が考えるレベルの経営モデルや経営計画などということを現実の農業経営者に押し付けるような時代は終わっているのだ。現代の農業経営者たちはそんな無知蒙昧な愚民でもなく、そんなことは農業経営者たちや関連産業人の自助努力に任せておけばよいのである。直売所で野菜を売るオバアチャンたちを含めてマーケット(お客様)に気付いた人々が農業を変えていくのである。むしろ、行政や政治の過剰な干渉や指導こそが、農業界の改革すべき組織や商慣行を温存させ、農業改革のパワーを削いでいるとすら言うべきなのである。