きちんとした有機農業経営 ~高品質な野菜を安定生産する技術~
【講師/山下一穂氏(山下農園 代表/有機のがっこう「土佐自然塾」塾長)】
今回のセミナーは山下農園・代表/有機のがっこう「土佐自然塾」塾長の山下一穂さんを講師にお招きして、「きちんとした有機農業経営~高品質な野菜を安定生産する技術~」というテーマで開催します。
山下さんは有機農業の世界では有名な経営者です。脱サラをして、高知県で有機栽培に取り組み始めて17年。自然の仕組みを活かして風土の中で行なう農業の本来のあたりまえさに徹しつつ、見栄えの良さ、美味しさといった顧客の満足の追求にも取り組んでおられます。2006年に有機のがっこう「土佐自然塾」を立ち上げ、塾長として有機農業を目指す若者の教育の場も設けていらっしゃいます。
有機野菜というと、虫食い野菜でも化学肥料や農薬を使わない「有機」だからしょうがないといった声も聞こえてきます。しかし、「有機栽培」に対して顧客が求めている価値を十分に提供できていない、農業のプロとして甘えがあるのではないかと私は常々感じてきました。この点について、山下さんは「有機栽培か慣行栽培かという問題ではない。高品質の農産物でないと駄目なのだ」とおっしゃいます。もちろん、見栄えが良くて、美味しい有機野菜を安定的に多収量で作るのは難しいことでしょう。だからこそ、畑に耳を傾けて、感性を鍛え、センスを磨くことが大事だと。
そこで、今回は、有機農業に関心をお持ちの方だけでなく、農業にかかわる多様な方々とともに、自然や風土のなかで行なう農業の意味と困難さ、そして、本誌が篤農家の言葉として伝えてきた「土を作れば作物勝手にできる」という話を山下さんの言葉で聞かせていただきたいと考えております。有機農業に限らず、土づくりに始まる「高品質な有機野菜」を安定生産する技術、農業を行なう上で前提となる感性やセンスは、あらゆる農業に共通します。
合わせて、「有機栽培」の持つ顧客が求める価値に見合う農産物を提供できていれば、この市場は拡大し得ると思います。今という時代だからこその有機農業経営の可能性と課題についても語り合いましょう。
『農業経営者』編集長 昆吉則
講師プロフィール
昭和25年に高知市に生まれ。
高校時代はバンド活動にのめりこみ、大学進学のため上京。授業には出席せずドラマーとして銀座や新宿等のナイトクラブ、ディスコに出演する日々を送るが、次第に肉体的な苦痛や業界のしがらみに耐え難くなって帰郷。
その後、学習塾で教師として働く。30代半ばからしばしば体調を崩すようになり、自然と無農薬野菜等の体によい食べ物に目を向けるうになる。
そして40歳の時に実家を継ぎ、家の前の90坪程度の畑で家庭菜園を始めたことが 有機農業の道へ進むきっかけとなった。
その後、48歳で新規就農。「同じつくるならいいものを」と当初から有機農業にこだわり、就農10年目を迎えた現在では、野菜の配達先の家庭は170件を超え、県外にも100件以上発送している。
【日時】
2015年6月19日(金)16:00〜18:00
【会場】
シチズンプラザ[高田馬場]
〒169-0075 新宿区高田馬場4-29-27
【参加費】
『農業経営者』定期購読者 2,160円(税込)
一般参加 10,800円(税込)
※ 今回、年間購読のお申込をいただいた場合も受講料は2,160円(税込)となります。