【一橋大学イノベーション研究センター教授 米倉誠一郎】
米国のカリフォルニア州に知事が47人もいたら、だれもがおかしいと思うだろう。もちろん、同州の知事はアーノルド・シュワルツェネッガーただ1人だ。だが、ほぼ同面積の日本には知事が47人いる。議会も47あり、多くの議員を抱えている。
これは130年前の廃藩置県をそのまま制度として引きずっているからにほかならない。明治初期には、1日50㎞歩いても東海道を行くのに10日かかった。240時間である。今、新幹線を使えば、東京―大阪は2時間半だ。つまり日本という国のサイズは100分の1になったのに、地方行政は高コストで、無駄なシステムを残していることになる。