提言 | 視点 | ||
時代は変わる 幻想を打ち砕け | 農業経営者 6月号 | (2004/06/01)
これは130年前の廃藩置県をそのまま制度として引きずっているからにほかならない。明治初期には、1日50㎞歩いても東海道を行くのに10日かかった。240時間である。今、新幹線を使えば、東京―大阪は2時間半だ。つまり日本という国のサイズは100分の1になったのに、地方行政は高コストで、無駄なシステムを残していることになる。
膝が震えるほどのチャンスがそこに
時代は変わる。だから自分も変わらなくてはいけないと言うのではない。変われるチャンスなのである。
例えば近年、農業にはおいしい、安いに加えて、「食の安全・安心」という基軸が入ってきた。新たな基軸によって競争のルールはがらりと変わった。うまくその点に着目できた経営が競争力をつかめる可能性が生まれた。
さらに付け加えれば、現代の競争とは「生産」ではなく、ビジネスのプラットフォームをいかに作るかである。農業界内部では、もう農業はダメだと思われているかもしれないが、外から見れば魅力に満ちている。株式会社の参入は当然だろうし、NPOでも農協でも個人経営でもかまわない。最も優れた仕組みを提供した者が消費者に選ばれる。なぜなら、豊かさの根源とは、選択肢が多いことであり、人々はそれを求めているからだ。
経済学者シュンペーター曰く「イノベーションは常に新人によって担われる」。おそらく、自身をニューフェースだと感じている人、変化の兆しを感じている経営者にとっては、膝が震えるくらいのチャンスが来ようとしている。農業が虐げられていたという幻想を打ち砕き、起業家として成功したいという意志が問われている。
既存の農業者がしなければ、新たによそからやってきた人間がやるだけである。
Hafvmn - pills for erectile dysfunction Bukcbv