時流 | 土門「辛」聞 | ||
参加業界人の2/3「BLコシは美味くない」 | 農業経営者 8月号 | (2005/08/01)
【土門 剛 -profile
】
「(食味比較会は)本年産から全面作付け転換が強行されている新潟県の新品種「BLコシヒカリ」と従来コシヒカリの炊飯食味比較が目的。会には生産者、米穀業者など65人が参加、炊飯研究の第一人者である平田孝一氏(株式会社サントク)の指導の下、同一条件で炊飯された魚沼産の従来コシとBLコシを食味比較(目隠し方式)した。
この結果、従来コシに投票した人が38人名、BLコシに投票した人が17人で、明らかにBLコシの食味は従来コシに劣る、という判定結果となった。
17年産の新潟県におけるBLコシの作付けはコシヒカリ全体の8割以上に及んでいるが、新潟県は外部の試験研究機関に対しBLコシの原種の提供を拒んでいる。
このままでは精米のDNA鑑定が不可能になることも考えられ、米穀業界全体の大問題に発展しそうだ」(以下つづく)
私は新潟県の米作り農家です。
新潟コシヒカリBL問題に関する土門氏の言説に注目しているのですが、問題の核心から少しはずれているようなのでコメントします。
食味の問題はまもなく消費者が結果を出してくれます。それより問題なのは、コシヒカリでないものをコシヒカリとして売ることが明らかな違法行為にもかかわらず、それを指摘する人、機関がないことです。
アンチ農水省、アンチ農協で知られる土門氏が何故この違法問題を追及しないのか不思議に思うのです。私の思い違いかも知れませんが、土門氏の記事を読む限り、氏は違法性を認識していないのではないかと思われます。
私はこの問題に5年間取り組んできて、農水省や新潟県の言い分が、現行の米関係法令をどうねじ曲げても違法しかないという結論に達しました。
個人や一法人がこんなことやったら、違法だとすぐ農水省や県に取り締まられてしまうのですが、取り締まるほうが品種とは何かという根本的な認識を誤ってしまい、いまだにそのことに気が付いていないのか、いまさらゴメンナサイとは言えないのか、過ちを認める気は更々ないようです。
なお私が調べたところでは、過ちの発端は1995年に宮城県で初めて起きた銘柄認定事件に溯ると思われます。