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特集

食卓から逆算する鮮度・品質管理 | 農業経営者 8月号 |  (2005/08/01)

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アスパラガスやブロッコリーなど、海外から輸入される青果物のあるものは、圃場段階からのコールドチェーンが確立しているため、残念ながら、海外産地が国内産地より品質レベルが高いということがある。国内の代表的産地でさえ、いまだコールドチェーンが成立していないケースがあるためだ。また、たとえ産地で予冷がされても市場で常温に戻ってしまうというケースもあり、収穫から最終消費者を結ぶトータルな取り組みは、さまざま理由から足踏み状態だ。

地産地消が語られるが、現実の農業経営はそれで成立しているわけではない。現在の農産物流通は長距離輸送を前提と認識すべきであり、売り方は違えど農業経営者であれば「食卓から逆算して考える鮮度・品質管理」を考えるのは、すでに最低限の常識なのではないか。

消費者の食卓での満足が生産者の品質の証しなのである。

「誰のための鮮度保持か」を考える



【流通ジャーナリスト 小林彰一】
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わが国における、青果物の鮮度保持の思想の普及、資材・技術の開発は、大きな目的があった。それは、市場出荷を前提にした「有利販売」の手段としてである。卸売市場でセリにかけられる際に、他産地と差別化させ価格を出すこと。そんな商品の供給元として、市場で価格支配をすることこそが第一義とされてきた。

鮮度保持がもっとも必要であり、かつその実現が確実に効果を発揮する夏場に、全国に先駆けて真空予冷と保冷輸送を導入した長野県経済連(当時)の目的意識がそれを代表する。「市場で高値を出すこと」、そのための手段として、わが国の鮮度保持技術は発展し、普及拡大してきたのである。(以下つづく)

流通ジャーナリスト 小林彰一
1972年(株)農経新聞社(青果物の生産・流通専門紙)入社。同紙編集長を務めた後、 88年農経企画情報センターを設立。現在、 同センター代表取締役のほか、青果物流通に関わるさまざまな職務を兼任する。「最先端の青果流通」ほか著書多数。本誌「今年の市場相場を読む」を連載中。

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各生産者が選果・選別を支える現状は、今後改善が必要であるとしても、鮮度管理における生産者各自の意識と技術の平準化が重要なポイントであることは間違いない。実際、今後農産物の流通がどう変化しようとも、食卓に並ぶまでの物流のスタートを飾る“収穫”を担当するのは、生産者以外にはいない。鮮度・品質管理の最初の責任者として、最新の技術をよく理解し、コストに見合う技術であれば導入を考えるべきだろう。(以下つづく)

移動式真空予冷装置の可能性 地域を越えてコストを下げる



群馬県の青果物冷蔵技術の専門コンサルタント根岸俊光氏<(株)ヒカリS・E代表取締役=群馬県伊勢崎市田部井町1-1671-24・TEL0270-63-0020)>は、40フィートのトレーラ台車に1チャンバー・3パレットの真空予冷装置を搭載し、それを季節に合せて必要な産地に移動して使わせることはできないかと考えている。

それを生産者やその集団に季節リースすることで、各生産者は設備投資費と固定費をかけずに、使用期間の経費だけで済ますことができ、農業経営に役立てることができる。(以下つづく)
※記事全文は農業経営者08月号で
Posted by 編集部 13:30

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