【(株)ホンダトレーディング社長 斉藤敏雄】
私たちは、米国の農家と契約で大豆を作り、日本に輸入している。きっかけは80年代初め、ホンダのオハイオ州への工場進出だった。現地に貢献でき、貿易不均衡の是正につながるような商材を探すうちに、特産の大豆に目を付けた。日本から部品を送った後、帰路のコンテナを生かせる利点もあった。
当初は一般の大豆を輸入するだけで、需用やニーズについての見極めも甘かった。そこで、最終顧客に目を向け、焦点を豆腐に絞った。問屋や豆腐メーカーと議論を重ね、種苗会社と共同で高タンパクな品種を開発した。