編集長コラム | ||
村山氏の原稿書き換え問題について | 農業経営者 5月号 | (2006/05/01)
【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
】
本誌編集部では4月号掲載の村山日南子氏原稿において、村山氏の執筆した内容を誤解させるような書き換えを行ってしまった。その内容は、今号30~31ページの通りであり、改めて執筆者の村山日南子氏とその関係者および読者の皆さまに深くお詫び申し上げる。それは、編集者としての能力の稚拙さと判断ミスが原因である。しかし、それを招来させた編集長たる筆者の怠慢の責任は重大だ。
忸怩たる思い、とはこういうことを言うのであろう。
本来であれば、黙って今後の本誌編集の中で読者の信頼を回復せねばならないのかもしれないが、弁解としてではなく、自らへの戒めとしても以下のことを書いておきたい。
本誌は独自の主張と論理を持つ。同時に、その編集の基本精神に立てば、筆者の意図に反し文意の改ざんを行うことなど必要ない。
本誌は、農業に関してなされる議論が、とかく白か黒かの二者択一の論理に陥りやすく、とりわけ、何事かを絶対化する論理に陥ることの不毛さと、そうした思考態度の危うさを指摘してきたつもりである。
今回、村山氏の原稿で問題となっている農薬の使用の是非に関する話題についても、本誌上には多様な意見を持つ筆者が登場し、発言をされておられる。村山氏ご自身にも、この原稿に限らず2000年9月号から24回、2年間にわたって「当たり前のことが通じる社会に」という連載をご執筆いただいている。
そのタイトルからも想像が付くとおり、また、村山氏自身の活動からも理解されるように、多様な意見が当たり前に語られるような農業界と農業を取り巻く社会にしよう、ということを伝えるべく筆者が村山氏に依頼したものだった。
当時、ほとんど黙殺された状態だった本誌の主張「農業を事業、経営あるいはビジネスとして捉えることの必要性」が素直に通じる社会の必要性を、ご自身の活動を通じてお書きいただいたものだと思う。
今回、筆者が依頼した原稿についても、本誌とは立場を異にする村山氏の意見と立場を承知の上で、執筆をお願いしたものであった。それがかくのごとき結果となったのである。
先月号の本欄では、筆者がもっとも尊敬する農業経営者の一人である鶴巻義夫氏の批判に対して、「それでもわが国の農業は遺伝子組み換え技術に取り組むべきだ」と述べた。これまでも筆者は、原稿執筆を依頼した筆者に対して、論旨がおかしいと、了解の上で書き換えをお願いしたことも少なからずある。意図に合わず掲載を止めたこともある。傲慢と言われようとも、それはあってしかるべきだと思う。しかし、執筆者の意図に反し、しかも、筆者に無断で論旨を変えるようなことは断じてない。
さらに、本誌では、先に本誌読者をはじめとする多数の農業経営者の方々に「これからの日本農業の将来像と経営と技術要求に関するアンケート」という調査にご協力いただいている。その調査の意図は、今と言う時代だからこそ農業改革に向けて農業経営者の人々が何を考え、何を必要としているのかを、本誌上だけでなく広く社会に向けてアピールするために企画したものである。
しかし、今回のような失態を本誌が演じるなら、調査の信頼性そのものを損なうことになる。それを避けるためにも、今回の本誌の失態に関する別稿での明確な謝罪とともに、弁解ともとられかねない改めての謝罪を申し上げた次第である。
本来であれば、黙って今後の本誌編集の中で読者の信頼を回復せねばならないのかもしれないが、弁解としてではなく、自らへの戒めとしても以下のことを書いておきたい。
本誌は独自の主張と論理を持つ。同時に、その編集の基本精神に立てば、筆者の意図に反し文意の改ざんを行うことなど必要ない。
本誌は、農業に関してなされる議論が、とかく白か黒かの二者択一の論理に陥りやすく、とりわけ、何事かを絶対化する論理に陥ることの不毛さと、そうした思考態度の危うさを指摘してきたつもりである。
今回、村山氏の原稿で問題となっている農薬の使用の是非に関する話題についても、本誌上には多様な意見を持つ筆者が登場し、発言をされておられる。村山氏ご自身にも、この原稿に限らず2000年9月号から24回、2年間にわたって「当たり前のことが通じる社会に」という連載をご執筆いただいている。
そのタイトルからも想像が付くとおり、また、村山氏自身の活動からも理解されるように、多様な意見が当たり前に語られるような農業界と農業を取り巻く社会にしよう、ということを伝えるべく筆者が村山氏に依頼したものだった。
当時、ほとんど黙殺された状態だった本誌の主張「農業を事業、経営あるいはビジネスとして捉えることの必要性」が素直に通じる社会の必要性を、ご自身の活動を通じてお書きいただいたものだと思う。
今回、筆者が依頼した原稿についても、本誌とは立場を異にする村山氏の意見と立場を承知の上で、執筆をお願いしたものであった。それがかくのごとき結果となったのである。
先月号の本欄では、筆者がもっとも尊敬する農業経営者の一人である鶴巻義夫氏の批判に対して、「それでもわが国の農業は遺伝子組み換え技術に取り組むべきだ」と述べた。これまでも筆者は、原稿執筆を依頼した筆者に対して、論旨がおかしいと、了解の上で書き換えをお願いしたことも少なからずある。意図に合わず掲載を止めたこともある。傲慢と言われようとも、それはあってしかるべきだと思う。しかし、執筆者の意図に反し、しかも、筆者に無断で論旨を変えるようなことは断じてない。
さらに、本誌では、先に本誌読者をはじめとする多数の農業経営者の方々に「これからの日本農業の将来像と経営と技術要求に関するアンケート」という調査にご協力いただいている。その調査の意図は、今と言う時代だからこそ農業改革に向けて農業経営者の人々が何を考え、何を必要としているのかを、本誌上だけでなく広く社会に向けてアピールするために企画したものである。
しかし、今回のような失態を本誌が演じるなら、調査の信頼性そのものを損なうことになる。それを避けるためにも、今回の本誌の失態に関する別稿での明確な謝罪とともに、弁解ともとられかねない改めての謝罪を申し上げた次第である。
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