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(株)親愛コーポレーション( 滋賀県草津市・中村章生社長 )
異業種からコメビジネスに参入 民間育種米「夢いっぱい」の権利取得 | 農業経営者 9月号 | (2006/09/01)
中神章生社長は「健康事業の一つとして、コメを扱うビジネスには以前から関心があった」と話す。
同社ではすでに、草津市内でおにぎりショップ「夢いっぱいDE夢ごこち」を8月にオープン。夢いっぱいのアンテナショップとして位置づけ、消費者ニーズを把握しながら品種のマーケティング戦略を策定していく考えだ。同時に、大阪市内の米穀店も買収するなど、販売網の構築も進めている。
品種の占有権を譲渡した中島美雄商店は「“米”ではなく、“ごはん”の形で消費者に供給するルートを持っている企業との提携を考えていた」(久保井修営業部長)と語る。
両社は、ともに取引銀行であるびわこ銀行が主催する異業種交流会を通じて出会い、商談を重ねて契約に至った。今後、「夢いっぱいDE夢ごこち」や買収した米穀店を通じ、「夢いっぱい」とともに中島美雄商店が取り扱う「夢」シリーズのコメを販売していく予定。
「夢いっぱい」は、適度な粘りと柔らかさが特徴。2003年に中島美雄商店が三菱商事の子会社植物工学研究所から育成者権を継承し、種子販売およびコメの流通を行ってきた。山形県、宮城県、滋賀県などで作付けされ、約5万俵が流通している。
今後、中島美雄商店が販売する種子の売り上げに対し、品種の占有権を持つ親愛コーポレーションがロイヤリティーを受け取る構図となる。
新事業の展開に当たって親愛コーポレーションは、夢いっぱいの占有権を担保にびわこ銀行をはじめとする3つの金融機関から合計3億円の融資を受けている。イネの育成者権は種苗法に基づいて制度化された知的財産権。夢いっぱいの市場性の高さやロイヤリティー収入が見込めることなどが担保価値として評価され、融資の決め手になったという。中神社長によると、「農業関連で知財権を担保にした融資はいままでに例がない」。
一方、中島美雄商店にとっては自社保有のコメ品種の占有権を譲渡するのは今回で3社目。久保井部長によると「これからもお互いメリットがあれば異業種を含め、他社への譲渡は十分ありえる」と話している。
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