叶芳和が尋ねる「新世代の挑戦」 | ||
知識集約型のフランチャイズ農業 | 農業経営者9月号 | (2006/09/01)
【評論家 叶芳和 -profile
】
【(有)茨城白菜栽培組合 代表取締役 岩瀬一雄(茨城)】
市場変化に適応するため大卒専門家採用
「白菜界のドン」と呼ばれる人がいる。茨城県古河市にある「(有)農業生産法人茨城白菜栽培組合」(岩瀬一雄社長)は、作付面積300ha(耕地面積200ha)、農家数170~180戸(契約農家)を束ねるフランチャイズ経営の農業を行い、日量4500ケース(年間150万)の白菜を出荷し、しかも周年出荷である。昨年の出荷額は14億円である。
社員8人、パート4人の小さな会社であるが、社員8人のうち6人は大学卒である(厳密に言えば2人は4年制専門学校卒)。消費者の安全志向、美味しさ追及に対応するため、“循環型農業”を目指し、土壌の専門家、病虫害の専門家が必要になり、2000年から大学卒を採用し始めた。大学院卒で博士号を持つ人もいる。こうした専門家が契約農家の圃場を見回りながら技術指導している。
生産から流通まで、科学技術を活用した農業になっている。独自に品種開発したブランド商品「霜降り白菜」が主力である。経営は黒字であり、赤字を出したことはない。新しいビジネスモデルが成功の要因だ。 (以下つづく)