圃場作り・土作りの思想から機械利用の知恵。紙数の制約から機械選びのすべてを紹介し切れないのが残念だ。ここでは、盛川氏の経営観と機械技術の一端を紹介して、府県の水田転作を本作化するためのヒントにしたい。
【経営データ】
■ 個人データ / 労働力は盛川周祐氏(54歳)と妻の裕子さん(50歳)、長男の祐君(19歳)の3人。長女の風子さん(22歳)は岩手大農学部の学生。友人をアルバイトに連れてくるリクルーターでもある。
■経営概要 / 経営耕地46ha。水稲9.6ha、小麦25ha、大豆11ha、ソバ1ha。ジャガイモの契約栽培にも取り組もうと計画している。
プラソイラDX(スガノ)
バーチカルハロー(スガノ)
7月中旬の麦収穫後、すぐに堆肥を撒き、作業幅310B・7本爪のプラソイラDXで約25Bの深さで刈り株を土壌混和。その後、ブロードキャスタで緑肥を播き、250B幅のバーチカルハローで浅く攪拌と鎮圧してクズ大豆を播く。7月末にはもう大豆が芽を出していた。それを9月の中下旬に20インチのプラウで緑肥を鋤込み、バーチカルハローでの砕土・鎮圧して麦の播種床を準備する。
盛川氏は、寒冷積雪地での麦ワラの腐食を促進させるための基本技術として、北海道やヨーロッパの畑作から学んでいる。排水を改善するモミガラ充填や、大きな明渠作りも組み合わされている。
溝掘機(PD251・スガノ)
12インチ7連のレーザープラウ(LC PQY127H・スガノ)
18‐20インチ×2連のリバーシブルプラウ(RQY202C・スガノ )
溝掘機PD251は、50Bのディスクで土に切込みを入れ、プラウ状の掘削部を持ち、深さ25B、幅が地表で25B、溝部で18Bという大きな明渠を掘ることができる。また、バックスコップで掘り上げた土をならしていく。それが4〜6Dの速度で作業できるというのも魅力だ。
2点のプラウは、12インチ×7連のレーザープラウと18‐20インチ×2連のリバーシブルプラウ。盛川さんは18‐20インチの3連リバーシブルも使っている。ボトムプラウは農業の基本となる作業機であり、過度に除草剤に依存しないための必須の条件だと盛川氏は話す。畑作だけでなく、同氏のイネの姿を見てもプラウの価値は疑えない。
写真はないが、盛川氏はこれ以外に作業幅4mの直装式レーザーレベラ(スガノ)を所有し、レーザープラウも使って段差のある二枚の田を一枚にまとめたりもしている。
800R、16m片ブームのブームスプレーヤ(BSM830SLT・丸山 )
防除は適期に素早く処理するのが基本。そのために、作物によっては圃場の両端あるいは防除畦を作る。府県の農家には狭い圃場を最大限に使おうとして作業機類の作業能率を落としている人も多い。
布製コンテナ(秋太郎・三洋)
籾搬送用の布製コンテナ(秋太郎・三洋)を搬送用としてではなく、粒状の資材や種子の積替え用の手段として使っている。排出量調整ができるので使い勝手が良いのだそうだ。
穀類水分計(PM-830-2・ケット)
麦、大豆、ソバなどの水分計測に使う穀類水分計(PM-830-2・ケット)。約10万円する。(以下つづく)
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