農業機械 | 機械屋トラクタ目利き塾 | ||
Vol.8 PTOシステム (2006/10/01)
トラクタの機能が飛躍的にアップ
農業用トラクタがほかの車両と最も大きく異なる点は、油圧昇降装置とPTO-(power take off/動力取出装置)-システムを備えていることである。ほかの機械のように、中間に別の回路や油圧モーターなどを使用せずに、エンジンのクランクシャフトからのパワーをシャフトを介して直接外部へ伝達できるということが、最大の特徴といえるだろう。
それはすなわち、エンジンのフルロードのパワーを最高の状態で取り付けられたインプルメントに伝達可能だということであり、トラクタのエンジンとのバランスのとれたインプルメントが最適な作業を生み出せるもとになっている。
しかしながら、伝達途中の若干のパワーロスは避けられないため、エンジンのパワーの80~85%前後の動力伝達が一般的となっているようだ(北米のトラクタの馬力表示はPTO出力が基準となっているが、欧州や日本などではエンジンの出力が基準となっている。厳密にいえば、トラクタのPTO能力の評価のためにも、エンジンとPTOの両方を馬力表示としてカタログスペックに表記すべきであろう)。(以下つづく)
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