叶芳和が尋ねる「新世代の挑戦」 | ||
農業を選択する就業者のための起業 | 農業経営者10月号 | (2006/10/01)
【評論家 叶芳和 -profile
】
【グリンリーフ株式会社 代表取締役 澤浦彰治(群馬県昭和村)】
事業欲旺盛な農業経営者
群馬県北部の赤城山麓に生産拠点を持つ農業法人「野菜くらぶ」という生産者グループがある。夏の冷涼な気候を利用したレタス、キャベツなどの高原野菜が主力で、首都圏では宅配などで有名である。現在、出荷会員50余名、作付面積約250ha、今年度の生産目標は10億円である。3年前の2003年度は会員45名、生産額7億3000万円であったから、高成長している。顧客が拡大しているからだ。
リーダーの澤浦彰治氏(1964年生まれ)は、事業欲旺盛な農業経営者だ。「野菜くらぶ」の経営とは別に、野菜くらぶへ出荷する野菜の生産や漬物加工、コンニャクの栽培・加工を行なう「グリンリーフ(株)」の社長でもある。グリンリーフの売上高は今年度目標6億円。作付面積40ha、従業員60人。また、青森県にも野菜くらぶの第2農場ともいうべき「(有)サニタスガーデン」を設立した。
農業は価格競争、市況変動が激しく、経営環境は厳しい。澤浦氏はこの世界からの脱却を目指し、製品加工、契約栽培などの形態を取り入れることによって、市況変動のリスクを回避し、農業の本質的な弱点を克服、経営を大きく発展させた。 (以下つづく)