叶芳和が尋ねる「新世代の挑戦」 | ||
少人数グループ方式による顧客ニーズ対応 | 農業経営者 11月号 | (2006/11/01)
【評論家 叶芳和 -profile
】
【(有)油屋グループ (茨城県古河市)】
製造業の「セル方式」に匹敵するイノベーション
顧客ニーズに応えるものが伸びる。これは経営の鉄則である。問題はニーズの多様化だ。生産コストが上昇するようでは困る。多様化したニーズに応えることができる生産管理方式の工夫が求められている。
製造業の「セル方式」、教育界の「少人数学級」など、世の中はニーズの多様化、個の時代に対応した流れが生まれてきている。ニーズが多様化した今日の時代、多品種小ロット生産のセル方式は、コンベア生産より生産性が高い。
農業分野でも、「少人数グループ方式」の生産管理で、顧客のニーズに対応すると同時に、生産者の潜在能力を引き出し、経営成績を上げているグループがある。茨城県古河市の集荷業者・㈲油屋(代表取締役・鈴木利夫氏)グループである。生産者グループはすべて1グループ5人以内の少人数制である。例えば、ソバの取引先農家は8人いるが、3グループ(3人・3人・2人)に分けて生産管理している。レタス・キャベツは2グループ(5人・2人)に分けてある。小グループはそれぞれ出荷先が異なる。さらに、品目によっては規格や銘柄も変えている。 (以下つづく)