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Vol.10 トラクタハイドロリック(油圧)システム 後編 (2006/12/01)
コントロールシステム
トラクタは様々なフィールドワークに直面するため、異なったコントロールシステムが選択可能となっている。ロータリーのような耕起均平作業から、プラウのような深耕負荷作業まで、油圧コントロールを上手く作業にマッチングさせて使用することが大事である。ドラフトコントロール
ドラフトコントロールとは、プラウ、カルチベータ、サブソイラ等のけん引作業をする場合に、作業機の負荷抵抗に応じてリフトアームの上下(作業機の上下)を行ない、負荷を一定に制御する機構のこと。様々な土壌条件(ソイルコンディション)に対応して、作業深度を絶えず規定内に合わせることが可能になっている。トップリンクセンシング方式
3点リンクと共に、マツセイファーガソン社が1940年頃に開発した機構で、通常ファーガソンシステムと呼ばれている。作業機に負荷がかかると、トップリンクを通じてトップリンクヒンヂ(ブラケット)に荷重がかかる。荷重のかかったブラケットは、内蔵されたセンサースプリングまたはダンパーを圧縮して、ドラフトリンクプレートによってフィードバックリンクを回動する方向に動かす。これによりコントロールバルブに上げの信号が入り(バルブ内のスプールを押して圧力を上昇位置にする)、作業機を上昇させて負荷を軽減させる仕組みになっている。以前のものはそれらを機械的にリンクで接続して作用させていたが、最近のものは電気的な信号を利用しているものが多くなっている。
比較的中小型(30~60ps)トラクタに採用されているタイプで、プラウのサイズでいうと16インチ×2連クラスを使用する場合は実に感度がよいが、多連プラウの使用にはセンシングのサイクルが遅くなるため、やや不向きの感がある。 (以下つづく)
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