叶芳和が尋ねる「新世代の挑戦」 | ||
土壌科学で製品差別化に成功し価格維持 | 農業経営者12月号 | (2006/12/01)
【評論家 叶芳和 -profile
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【(有)シモタ農芸 社長 霜多増雄(茨城県取手市)】
硝酸態窒素ゼロの野菜を目指す
茨城県のハーブ生産者・霜多増雄氏(1945年生)は、科学する精神が凄い。土壌の科学を徹底追及し、野菜本来の機能性成分を持ち、他方、人間の健康に有害な硝酸態窒素ゼロ(正しくはND)の野菜を供給することで成功を収めている。そして何より霜多氏は、インスピレーション能力が発達している。この能力が科学と現場を結びつけるカギとなり、経営を成功に導いている。
霜多氏は高卒後就農したが、水稲、中国野菜を経て、25年前からハーブを始めた。現在は、生産部門の農業生産法人㈲シモタ農芸と、販売部門の(株)M&Yシモタファームを経営している。作物はハーブが中心だが、前出のように、野菜も生産している。売上高推定5億円。経営面積はハウス4.5ha、露地1ha、合計5.5haである。従業員40人。社員の賃金は、30代半ばまでは、地元の銀行に勤務する銀行員と同水準であるそうだ。
初対面は商売気がなく、とっつき難いような印象を与える霜多氏だが、付き合いが深まれば強い信頼関係が築けるようなパーソナリティの持ち主だ。社長は孤独な仕事だといい、同士・仲間を求める人間的な側面もあわせ持っている。 (以下つづく)