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目利き農家のトラクタ選択術 | 農業経営者4月号 | (2007/04/01)
それぞれの作業目的に合わせたインプルメントを搭載し、圃場の耕うん・整地から、播種や施肥など、様々な工程で活躍するトラクタ。
経営規模の大小を問わず、農業には欠かすことのできない機械だが、数あるトラクタの中から、あなたは一体どんな基準で選んでいるだろうか。
自らの経営に合わせた機種の選択から、実用上のメリット・デメリットについて、トラクタに一家言を持つ読者に熱く語ってもらった。
岩手県花巻市
有限会社 盛川農場代表 盛川周祐 氏
畑地転作を支えた高馬力トラクタ作業工程から逆算した設備投資を
もともと稲作を営んでいた盛川氏が畑作に転向したのは、1988年のこと。既にコメが余り、転作の流れがあった当時、盛川氏は畑作による土地利用型農業への取り組みを決意したのである。
今でこそ自作地6.4ha、小作地7.8ha、全作業受託31.8haと、合計46.5haもの面積を管理しているが、始めた当初は稲作と異なる土壌条件や機械体系に戸惑ったという。
「作土層が浅くて土壌は強酸性。雑草で覆われていたし、これでは、みんな転作しないわけだと思ったよ」
畑作を推し進めるには、プラウ耕など土作りの基本から手を入れることが必須。稲作では30馬力程度のトラクタで済んでいたが、よりパワーを持ったタイプが求められることになった。(以下つづく)
クローラの併用で効率アップ最新情報も追求して経営力を磨く
キャビン付きトラクタの導入によって、夜間や雨天時の作業が可能となったものの、雪上作業やプラウをけん引する場合、ホイールには限界が現れる。そこで盛川氏はクローラトラクタを導入し、さらなる作業の効率化を図ることにした。
2001年に購入した三菱農機MKM750Xは、水田と畑地に兼用できる、盛川農場でも特に「働き者」の1機。上の表からわかるように、ほかのトラクタの年間平均使用時間が100~150時間であるのに対し、本機のみ200時間以上稼動している。この「過労」を補うため、昨年にはモロオカMK110Kを新たに購入。本年からクローラ2機体制で作業に臨むことになった。(以下つづく)
千葉県東金市
ライスファームもとごや鈴木正昭 氏
国産車の電子制御システムと外国車の強力なパワーを自在に操る
鈴木氏が所有するトラクタ2機は、いずれも井関農機のTR633系。イタリア・ランディーニ社の車体をベースに、外国車のけん引力・油圧揚力を持ちながら、ポジショニングコントロール系は国産電子制御でまとめた「いいとこどり」のトラクタである。
もともと代かき用にと、セミクローラを導入したものだが、レーザーレベラ導入後はその必要がなくなり、現在はターラス社製扁平タイヤに履き替えている。2本の油圧アシストシリンダが標準装備されているのも特徴で、63馬力で約3tもの揚力を持つというから驚きだ。(以下つづく)
群馬県前橋市 (有)三輪農園 代表 三輪民雄 氏
厳選したトラクタ5台で規模拡大の基盤を築く
規模拡大に対応する作業体系を構築すべく、トラクタは注意深く選んできた。いろいろ試し、現在のトラクタ5台に落ち着いた。機動性、移動速度、けん引力、接地圧等々を考慮し、作業に応じて使いわけている。(以下つづく)
沖縄県北大東村 上地勝也 氏
クローラからホイールタイプに切り替え、作業体形を再構築する
プラウやサブソイラで土作りをするためにモロオカのクローラトラクタを使ってきたが、昨年ホイールトラクタに切り換えた。
接地圧のことなど、土への影響を考えるとクローラトラクタがいいのはわかっているが、受託作業をする場合には移動に時間がとられてしまい、圃場が遠いと断らざるを得ない時もある。(以下つづく)
鳥取県群家町
(有)田中農場代表 田中正保 氏
トラクタの値打ちは使い方で変わる 20~30年使用することが前提
トラクタは20~30年使うことを考えて選んでいる。フォード「TW-10」導入当時は、このクラスのトラクタが、まだ本土に導入された実績がなく、無謀とも言われた。それから35年たった今、うちの農場で一番重要な仕事をしているのは、相変わらずこのトラクタだ。(以下つづく)
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