叶芳和が尋ねる「新世代の挑戦」 | ||
旬の味をルイ・ヴィトン化した食品加工メーカー | 農業経営者5月号 | (2007/05/01)
【評論家 叶芳和 -profile
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【(株)セゾンファクトリー社長 齋藤明彦(山形県高畠町)】
最高の素材を全国から調達四季と旬をブランド化
山形県は主要な果実産地のひとつである。このフルーツ王国のイメージをブランド化し、伸びている食品加工メーカーがある。
山形県南部の高畠町に立地する㈱セゾンファクトリー(齋藤明彦社長)は、ジャムやドレッシング、ジュースを製造・販売するメーカーだが、山形の四季を生かした食文化から発想し、「旬の果物」に手を加えることにより、生で食べても美味しい素材を、さらに美味しい状態にして食卓に届けている。一般に加工用は生食用として出荷できない素材が中心であるが、そうした加工業の常識とは一線を画したポリシーだ。手作りと品質にこだわったモノづくりが消費者の支持を受けている。
ブランド化に成功し、製品差別化で、ジャムメーカー同士の価格競争の世界から脱却している。特に自前の直営店では1個1000円以上のジャムが主力である。スーパーの棚に並ぶジャムに比べ、付加価値が3倍も、5倍も違う。 (以下つづく)