時流 | 農・業界【国内】 | ||
日本鶏卵生産者協会
国内で養鶏飼料米を栽培
反収1tを目指し試験栽培を継続 | 農業経営者6月号 | (2007/06/01)
農水省の統計によれば、コメの生産費は2005年産の全算入生産費の場合で、トンあたり約28万円。政府からの払い下げ古米価格がトンあたり1万7000円であることを考えると、あえて飼料米を国内で生産することは、非合理的であるといわざるを得ない。
だがバイオエタノール需要による輸入トウモロコシの高騰は、トウモロコシの配合比率が高い養鶏飼料の価格を吊り上げており、養鶏農家の負担増は今後も続く見通しが強い。
飼料の国産化が実現すれば、循環型農業の推進による鶏糞処理や、カロリーベースでの自給率向上の役割を担うことができる。また、穀物相場に左右されにくいコスト管理の健全化や、「ブランド卵」としての新たな商品開発の可能性も秘められており、関係者の期待が高まっている。
圧倒的なコスト高を改善するために様々な方策が検討されているが、多収品種の選定もそのひとつ。昨年は東日本の圃場で「タカナリ」、西日本の圃場では「ふくひびき」を作付けし、もっとも反収が高かった宮城県では700kgを超えた。今後も反収1tを目標に「より多収が狙える品種を検討するとともに、徹底した作業の省力化を図っていく」(山下氏)という。
また、今年度は栽培実験のほか、飼料米を実際に与えた場合の鶏卵の品質や機能性も検査。基礎データを集積していく予定となっている。