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提言 | 視点

生産調整という名の時代錯誤 | 農業経営者6月号 |  (2007/06/01)

【(有)藤岡農産社長 藤岡茂憲】
視点 3月末の食料・農業・農村政策審議会食糧部会で、農水省は2006年産米の過剰作付けの実態を明らかにした。同年はたまたま作況が悪かったため、需給は均衡した。が、平年作であれば、約40万tの過剰米が発生し、米価の大幅下落は避けられなかったという。

状況は「土石流の発生寸前」



行政は過剰作付けの是正に懸命だが、私は生産調整という発想そのものが、もはや有効性を失っていると考える。米価が年々下がる中、農家が過剰作付けに走るのは当然の話だ。
しかも06年産米については、特に過剰作付けが目立った秋田・新潟両県のコメを政府が大量に買い上げていた。最後は農協の政治力が働いたに違いない。

生産調整をめぐる状況は、土石流が発生する寸前に似ている。沢筋を土砂がせき止め、水がどんどんたまっている。せきが破れるのは時間の問題だ。

それならば、いっそ自由に作付けさせればいい。1、2年は過剰生産になるだろうが、味の悪いコメ、販売力のない経営は淘汰され、生産量は落ち着くべき所に落ち着く。そのように市場原理に任せ、適地適作に誘導するのが、本来とるべき政策ではないのか。

07年産米から、需給調整は農業者・農業団体が実施することになった。行政は、生産調整から表向き手を離したわけだが、農協は組織を守るため、「最後の抵抗」で生産調整を続けようとするだろう。

けれども、その農協自体が米価の下落スパイラルを引き起こしている。毎年、組合員に提示される仮渡し金額は、コメの最低価格として全国に知れ渡る。集荷業者はそれを少し上回る価格で農家から買い取り、ちゃんと販売戦略を立てて売る。

農協は販売努力をしないから、倉庫に大量のコメが余る。過剰在庫は集荷業者に買い叩かれ、翌年また仮渡し金が下がる。

農業者の意識で状況を変える



私はコメを直販しているが、自分で値段を下げたりはしない。農業は製造業であり、製造コストと販売経費、再生産を可能にする利益によって価格が決められなければおかしいと思うからだ。

その代わり、私が決めた適正価格で買ってくれるお客さんを1人でも多く探す。物ができてしまってから、さてどう売ろうかと考えるのは経営ではない。

ともかく、役所も農協もいい加減、コメ政策から足を洗った方がいい。時代に合わなくなった制度を一律に続ければ、歪みが生じる。過剰作付けは防げない。

農業者も霞が関ではなく、顧客の方にもっと目を向けるべきだ。状況を変えるには、まず私たちが意識を変えるしかない。
(インタビュー・まとめ 秋山基)
藤岡茂憲(ふじおか しげのり)
1952年秋田県生まれ。高校卒業の翌日から5年間、登山と放浪の旅に明け暮れ、帰郷後、コメ作りを始める。97年法人化。現在の生産規模は32ha。「あいかわこまち」の自社ブランドで全量を直売し、東京にも営業拠点を置く。食料・農業・農村政策審議会食糧部会委員。日本農業法人協会理事。 http://www.fuzioka-nosan.co.jp/
Posted by 編集部 11:30

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Posted by MyronGlarI  2021/04/17 00:29:47

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