提言 | 視点 | ||
農業がレジャーになる時代 | 農業経営者7月号 | (2007/07/01)
民間だからできるサービス
ここ10年ほど、都市住民の間で「家庭菜園をやってみたい」というニーズが、非常に高まっている。だが、区などが運営する市民農園は公平性を重視するため、高倍率の抽選に当たらなければ、区画を借りられない。契約期限もあらかじめ決まっていて、継続的な利用が難しい。
私たちの場合、駅から徒歩1分のクラブハウスにトイレ、シャワーを完備し、農具はすべてレンタル。要望があれば、常駐スタッフが別料金で栽培代行もする。上質なサービスこそ民間の強みであり、当社はそこにビジネスチャンスを見ているからだ。
もちろん、リスクもあると感じている。栽培を支援する上では天候に影響されるし、近隣住民の理解を得るため、防除には植物保護液や有機JASで認められている資材しか使わない。 かなりの挑戦とも言えるかもしれないが、こうした取り組みは、企業にとって貴重なソフトの蓄積につながる。貸し菜園で培った経験は、たとえば屋上緑化など他の事業にも応用できるのではないかと考えている。
知識・技術の翻訳者として
家庭菜園から人々が得るのは、植物を育てる達成感だけではない。仲間同士で知恵を出し合ったり、一緒に調理したり、収穫祭を催したりと、コミュニケーションを通わせる楽しさがある。
アグリス成城では様々な講習・実習も開いていく。将来的には、会員が農家から野菜作りのノウハウを学ぶセミナーの実施も検討している。会員はあくまでも初級者なので、私たちが専門家の知識や技術をわかりやすく翻訳し、伝えていきたい。
本物の農業はとても奥の深いものだと思う。家庭菜園はいわば、疑似体験だが、それでも農業が総合的なレジャーになりうる可能性を示している。土に触れた消費者が農業をより身近に感じるようになれば、農業生産に対する理解も深まるに違いない。
http://www.agris-seijo.jp/
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