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第38回 本州最北の地で挑んだ乾田直藩と父との格闘 | 農業経営者8月号 | (2007/08/01)
【農事組合法人羽白開発 福士英雄 (青森県青森市)】
血気盛んで豪快な経営者を勝手に想像していた。なにしろ、借地、作業受託面積(延べ)をあわせると約130ha。直播栽培の面積だけで16haだ。一法人で行なう直播面積では日本最大級だろう。こんなダイナミックな経営体を、リーダーとして長年引っ張ってきた人物だ。
予想に反し、作業用のつなぎを脱ぎながらソファーに座った福士英雄氏は、端正な顔立ちで、謙虚で穏やかなイメージの人物だった。だがひとたび話しが始まると「格闘」という言葉が何度も出てきた。「格闘」があったということは、その分だけの「挑戦」があったということだ。
本州最北の地で最大面積での直播に挑む
福士氏がこの春まで社長を務めた羽白開発が、直播を始めたのは1994年。「米の値段はそのうち1万円台になる。コストを7000円まで落とせないと稲作はダメになる」――。危機感に駆り立てられて直播栽培に取り組んだものの、うまくいかず2年続けたところで断念した。しかし1999年から再び挑戦。一度ならず二度も始めた福士氏たちを見て、周りの人は「頭がおかしくなったんでねえか」とささやいた。 (以下つづく)
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