【農業生産法人(株)旦千花 取締役会長 大槻洋光氏(千葉県八街市)】
健康食品の卸から独自品種の野菜「江戸菜」などを生産・販売する企業に転身した(株)旦千花。農業分野に新規参入して以来、健康食品の卸時代に培った営業販売力も武器に成長を遂げ、大手外食やホテルなど1500社と直接取引している。積極的に農地を取得していく同社の取り組みは、農業が新しい時代を迎えたことを物語る。
経営力の高い農家が出れば土地は動き規模拡大が進む
農業は停滞産業、衰退産業と言われる。しかし、そういう中にあって、高成長している農家や企業がある。農業生産法人(株)旦千花(大槻洋光会長)は、6年前に農業分野に新規参入した。現在の経営面積は12.8haであるが、今年中には20haを達成し、3年後50haを目指している。品種改良による新品種の市場創造力、農業参入以前のビジネスで培った営業販売力が成長要因だ。
営業販売力さえあれば、農業分野でも成長企業になれる。今の農家に欠けているのは、自分の生産物(農産物)を売る力である。また、農業志向が強く、経営力があれば、株式会社でも農地を取得し、いくらでも規模拡大できる時代になった。農家の高齢化に伴うリタイア、離農が激増している今日、経営者能力の高い農家が出現すれば、農地はいくらでも動く。農業新時代の到来だ。
異分野の株式会社であった旦千花が、いかにして農地を取得し(購入を含む)、農業分野の成長企業になったか。その実践を見れば、農業新時代の到来が分かるであろう。
(以下つづく)