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仮渡金7000円ショック!あなたの農場経営への影響は?宮城県登米市 阿部善文さん (2007/09/01)
――阿部さんのご認識は?
コメを買ってくださるユーザー様に対して、コメの生産コストを明確にし、「我々は常にこの価格でコメを提供できる」とアピールする売り方に切り替えるための、よい機会になるだろう。ここまで米価が下がれば、農協経由で売っていては再生産もできないことが明らかになったのだから。
――経営に影響はありそうですか?また、売り先の業態別比率は?
私のところはほとんどが一般消費者むけの契約栽培と業務用提携米で、余剰生産分は贈答用やカタログ販売で売り切る。あらかじめ何月にはどの品種を何kg予約、と決まっているから、作付けイコール販売完了になっており、今回も米価切り下げでも、大きな影響はない。というのは減反政策が始まってから、確実に消費していただけるユーザー様に販売することを狙ってきた。
――販売形態は?
一般消費者むけ・業務用提携米ともに精米での出荷が基本だが、要望があれば玄米などでも出荷する。
――地域の反応は?
仮渡金も受け取ってしまっているし、あきらめムードだね。自分のコメの売り先は、自分で探さなくてはならないな、という声が聞かれるようになった。ウチで120俵近く売ってくれないかという相談も受けた。むろん断った。これまで買って頂いているお客様を裏切ることになってしまうから。
――雑誌で取り上げて欲しい事、知りたいこと
これまで業者は「産地を育てる」よりも「産地を買う」という姿勢だった。その年その年で、安い産地・よくできた産地のいい所どりをしてきたと思う。
ところが最近、居酒屋さんなどで、コメの産地を表示する取組みが増えてきた。お店の店員さん達が、きちんとした知識を覚えていて、宮城の登米のコメではこんな栽培のこだわりがある、環境に対してもこだわりを持っていると、お客様に話す。外食産業や小売業と組むことで、各地にいいコメがあることが消費者に伝えられる。そういった取組みをしている企業の情報を特集してほしい。
外食や小売業のバイヤーさんが読む業界誌がほしい。例えば、各有名ホテルには、旬の食材の調達を担当する人がいる。こういった人達に請求する業界誌を作ってほしい。有名ホテルに出荷している実績は、営業に行ったときにアピールするよい材料になるから、量は少なくてもいい営業ツールになる。
――阿部さんのような、一般消費者むけの契約栽培はどうでしょう?
私のところは20年前から、ヤフーなどで販売体制を作ってきた。ところが今、ネットでコメを検索すると5万件ヒットする。5万分の1の過当競争に参加するために、最近参入する農家は低価格競争に走っている。ところが低価格で競争するユーザー様は浮気症で、もっともっと安いコメを探す。品質で勝負できないなら、ネット販売や契約栽培は勧められない。
それに一般農家では、お客様の細かな対応ができない。何月何日までにどの品種を何kgといったことに対応することは難しいだろう。
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