読者の会 | ||
第7回 12月14日 『農業経営者』読者の会 定例セミナーのご案内 (2007/10/01)
「戦後農政を総括する」
【講師/大泉一貫氏(宮城大学大学院教授)】
平成14年に発表された米政策改革大綱に伴う施策が進んでいる。それは昭和46年以来の政府管理の米政策を市場の原理にゆだねる道筋であり、日本農業の未来のために避けて通れぬ改革であった。聖域化されてきた米農業を振り返ることでこれからの日本農業を考える。
講師プロフィール
1949年宮城県生まれ。東京大学大学院修了。農学博士。食・農・むら・コメから日本社会を展望する評論活動を展開する一方で、農村と都市を結ぶネットワーク作りにも関わる。著書に『ニッポンのコメ』(朝日新聞社)、『個の時代のむらと農』(農林統計協会)など。経済財政諮問会議のメンバーとして、農政改革にも携わる。
場所: (株)農業技術通信社内セミナー会場
会費:一般参加の方は5,000円、『農業経営者』定期購読者の方は無料になります。
※ 今月号より、年間購読のお申込をいただいた場合も受講料は無料となります。
内閣府の規制改革会議の専門委員を務める大泉氏の講演ということで、日本農業の行方が気になる方々が多数ご参加されました。
同氏は戦後農政の問題点として、①課題が並立し政策が相互に相殺されているなど<効果的な農政目標が設定できていない>点と、②結果平等を追求するために農家の多様化に対応しきれず、農業経営者層への政策に焦点が当てられないといった<一律農政から脱却できない>点を指摘します。
特に、今夏の参院選以降、従来の保護農政が復活したことについては「逆流」であると明言しました。
そして、もっと他産業にも開かれ、他産業を見習った顧客志向の強い「先進国型・成熟国型」農業を展開し、また、政策についても民間の知識やアイディアを生かす「産業振興的な農政」を意識することが、今後の日本農業の生きる道であると言います。
大学の先生ということで、講演もとてもアカデミックで、漠然と理解していた戦後農政をスッキリと整理できた2時間でした。