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第28回 ブドウ編
雨の多さはリスクの多さ
雨除け以外の対策はあるのか?の巻 | 農業経営者 12月号 | (2007/12/01)
雨量により多発する晩腐病果実袋も防除効果を左右する
専門家 和歌山の果樹といえば、ミカンと梅が有名です。取材にうかがう際もミカン畑ばかり目に付きましたが、この一帯だけブドウ畑が密集しているので驚きました。近畿にも意外とブドウの産地が多くて、南大阪や神戸近郊、滋賀の湖東などが思いつきます。でも、いずれも雨の少ない場所ですよね。乾燥を好むブドウを、雨の多い紀伊半島の中山間地で栽培するわけですから、苦労も大きいでしょう。
森 おかげさまで観光農園としての知名度は上がっていて、訪れるお客さんの数も増えてきています。ただ、やはり雨は大変ですね。海岸方面ならともかく、トンネルをひとつ越えるだけで随分と雨量が変わってくるんですよ。このあたりは非常に雨が多くて、晩腐病には悩まされます。病気では一番怖い存在ですね。
専門家 ブドウの三大産地である山梨、長野、山形や、それに次ぐ岡山などは、いずれも少雨気候ですからね。晩腐病の発生状況はいかがですか?
森 近年多発傾向で、防除にも困っています。特にピオーネは晩腐病にものすごく弱いので困ります。3年ほど前に購入した農地では、親がピオーネ系統の品種に、集中的に晩腐病が発生するんです。それを今、巨峰系統に更新しているんですけど、ひどいもんですよ。ピオーネは露地では作れませんね。(以下つつづく)