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第43回 家庭菜園が発掘したブラジル野菜市場 | 農業経営者 1月号 | (2008/01/01)
【C.A.H. 代表 林 治男(群馬県大泉町)】
20年間のブラジル暮らしの後、帰国。趣味で始めた家庭菜園のブラジル野菜が職場の日系ブラジル人に好評を博す。あくまで友人へのおすそ分けとして始めたもの。しかし、林の野菜を求める日系ブラジル人があまりにも多く、断るつもりで野菜に値段をつけた。すると、逆に来訪者が一気に増え、専業のブラジル野菜生産者となる。現在、全国の約450店舗に出荷し、売り上げは月1000万円。
故郷の味を求める日系ブラジル人
現在、日本各地に暮らす日系ブラジル人は約30万人。その人たちが故郷で食べていた野菜や果物を日本国内で生産、供給している人がいる。群馬県大泉町を拠点に「C・A・H」という屋号でブラジル野菜を生産・出荷する林治男(60歳)である。出荷にあたってはブランド名として、蕫ブラジルの味﨟を意味するサボール・ブラジレイロという名称を使っている。全国450以上の店舗に届けられる作物の売り上げは、月平均約1000万円。出荷先はブラジル人向けのスーパーやブラジル料理店ばかりではなく、半分は一般のスーパーだという。
日系とはいえ数世代にわたってブラジルに暮らしてきた人々が慣れ親しんできた食材に対するニーズは大きく、生産力をはるかに超える需要がある。さらに、新しい食材に対する関心も高まっている。また、ブラジル野菜の多くはヨーロッパ諸国を原産とするものであり、ブラジル以外の外国人にも懐かしさを感じさせるものであるらしい。ところで、そんな林のブラジル野菜ビジネスは、日系人の妻や同じ職場で働く日系ブラジル人を喜ばせたいと、家庭菜園から始まったものである。 (以下つづく)
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