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価格を決めて売る農業経営【前編】〜私たちがこの価格にする理由〜 | 農業経営者 4月号 | (2008/04/01)
かつて自分で作った農作物さえ、自由に売ることが認められなかった農業界。その名残が残っているせいだろうか、経営者自らが商品としての農作物に価格を決めて売るという発想がいまだに希薄なように思える。だが、マーケットにおける商品価値の優位性を示せるならば、経営者自らが価格設定をして、商品を売るべきはないだろうか。価格設定をすることは顧客対象を絞り込むことであるために、それなりの決断が要求されるが、そのメリットは大きい。適正な利益を確実にあげ続け、より安定した農場経営を行なうためにも価格を決めて売る農業経営のあり方について考えてみたい。
マーケティングにおける「価格」とは何か?
価格決定権を握る経営を目指す前に、経営者が知っておくべきなのが「価格」とは何かということである。また、価格は消費者の購買行動に対してどのような心理効果を与えるかということも知っておくべきであろう。本稿では、「価格マーケティング」分野の第一人者として知られている、上田隆穂学習院大学教授に価格の意味および価格競争から脱却するためのマーケティング戦略について話をうかがった。
単価主義だけでなく、もうひとつの経営努力を
去る1月18日に開催された読者の会セミナーで、小林彰一氏は野菜生産者が陥りかねない「単価主義」について言及していたので、ここで一部抜粋し要約の上、掲載したい。内容の詳細については、本誌ホームページ上から音声をダウンロードの上、ご確認を。
価格を決めて売る前に確認すべき3つの事項
経営者自身が価格決定権を持つ段階に達するためには、農業経営の戦略の見直しが必要になってくる。商品の中核的な価値を高めることはいうまでもないが、それに付随して考える必要がある事項を、ここでは3つ紹介しよう。価格を決められるようになるためにも、ぜひ確認していただきたい。
[実例]私たち、自分で価格を決めて売ってます
・安さを求めて来る客は、他に行ってもらって構わない
(有)藤岡農産(秋田県北秋田市)藤岡茂憲 代表取締役
・高いイチゴを売っているのに、反対に感謝されることが増えていった
(有)ストロベリーフィールズ(茨城県下妻市)遠藤健二 代表
・ 「卸値より高く、消費者にはリーズナブルに」というスタンス
玉手農場(北海道留寿都村)玉手博章 代表(以下つづく)
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