特集 | ||
価格を決めて売る農業経営【後編】〜希望小売価格を実現するための条件〜 | 農業経営者 5月号 | (2008/05/01)
先月号では、農業経営者が価格決定権を持つためにはモノとしての農産物ではなく、顧客を感動、満足させる付加価値を加えた商品として販売し、ロイヤル顧客をつかむべきであると、提言した。だが、付加価値を備えた農産物が購入されるのは、誰かに対する贈呈用としてだったり、その食材を食べなければいけない、何か特別な動機があって初めて成立するものである。そうではなく、もっと一般的な生活シーンの中で選ばれる農産物にブランド性を付与し、消費者が手の届く範囲で「買いたい」と思わせることはできないものだろうか? これを実現することで食料を国民に供給するという、農業経営者の社会的責務を果たすことになるのではないか?
氾濫する〝農産物〟ブランドを再定義する
農業界はブランドだらけである。もちろん実体が伴うものではなく、目標設定という意味合いがあろう。だが農産物に求める多様なニーズがある以上、多様なブランドが成立していいはずなのに、そうはなっていないのはなぜか?生産者本位、あるいは産地本位の似非ブランドばかりが目立つのはなぜか?本誌でおなじみの大泉一貫氏と本誌編集長が、消費者を混同させ、農業経営者に誤解を生じさせる、農業界におけるブランドについて解きほぐす。
(株)農業支援によるアプローチ
イーサポートリンク(株)(本社・東京都豊島区)の子会社である(株)農業支援(本社・青森県弘前市)は「全ては農業生産者と生活者のために!」という会社理念を掲げ、主たる事業のひとつとして農業経営者自身が価格決定権を持つ上で必要になってくるマーケティング事業の展開を図っている。同社の事業内容と同社のパートナーたりえる農業経営者に求めたいという農産物のマーケティングの考え方について、堀内信介社長に話を聞いた。
(株)ドールの実例に見る希望小売価格の模索
個々の農業経営者が一般的な農産物で希望小売価格を実現した例はまだない。それだけに、このような展開が考えられうると断言はできないのだが、(株)ドール(本社・東京都千代田区、ジェームス・プリドー代表取締役)が2003年から展開している、国産ブロッコリーがモデルケースのひとつになりうるのではないかと考える。そこで、この章では、小売・流通業者に対して優位な形で価格設定権を持ちえた、同社の足跡を紹介しよう。
農業経営で問われる〝表示〟〜価格決定権確立の裏で〜
価格決定権を握る経営を実現することは農業経営者に相応のメリットをもたらしてくれるとともに、消費者に対して果たさなければならない責任と義務の度合いが、これまで以上に高まるということも意味する。かかる問題意識を持つ、(株)エフティピーエス代表取締役・徳江倫明氏による寄稿をここに掲載する。(以下つづく)
tadalafil pills 20mg https://elitadalafill.com/ tadalafil 40