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時流 | 農・業界【国内】

(株)イトーヨーカ堂(東京都千代田区)
農業生産法人の設立を表明
管理体制の強化やリサイクルループの確立を目指す | 農業経営者 8月号 |  (2008/08/01)

セブン&アイ・ホールディングスグループの(株)イトーヨーカ堂(東京都千代田区・亀井淳代表取締役)は6月19日、農業参入を発表した。今後3年以内に全国10カ所に農業生産法人を設立する。

まず、今年8月にJA富里市(千葉県富里市・根本実代表理事組合長)の支援のもと、最初の農業生産法人を立ち上げる。JA組合員から約2haの圃場を借り上げ、ダイコン、キャベツ、ニンジンン、ホウレンソウ、コマツナの5品目を栽培する。初年度は合計で130t程度の収穫を見込んでおり、収穫物は千葉県内のイトーヨーカドー6店舗で販売される。今後、県内全21店舗まで順次拡大するという。

また同時に環境循環型のシステムも取り入れる。直営農場の農作物を販売する6店舗から排出される残渣は、(株)アグリガイアシステム(千葉県八街市)に送られて堆肥化される。この堆肥は直営農場で使用され、店舗から農場の間で「完全循環型リサイクル網」が完成する仕組みだ。アグリガイアシステムは、2003年よりセブンイレブンと共同で堆肥化センターを運用している実績を持つ。

05年に農業経営基盤強化促進法が改正されて以来、多くの企業が農業に参入しているが、イトーヨーカ堂の参入は過去最大規模となる見込み。同社の農業法人への出資額は、出資比率上限の10%だが、規制緩和が進めば出資額が増加することも予想される。

同社はオリジナルブランド『顔が見える野菜。』シリーズを展開し、産地、施設などで第三者機関を通じた監査を行なうなど、信頼性を確保するための管理を徹底してきた。「自ら農場を運営することにより、生産履歴の信頼性をより高めることができる」(同社広報)というように、今回の法人設立は「安心・安全」を求める消費者に強く訴求する狙いがあると見られる。

一方、企業と地域が連携することで、耕作放棄地の減少や担い手の確保、ひいては地域活性につながる効果も期待されている。
Posted by 編集部 09:30

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