特集 | ||
農場スタッフを人財にする[前編]
経営を発展させる雇用のあり方 | 農業経営者 1月号 | (2009/01/01)
今月号と次号の2回に分けて、農場での雇用、そして人材を育てるというテーマで特集したい。
「良い人材が集まらない」「来ても半日でいなくなってしまう」などと、働きに来る者に対するボヤキを農業経営者たちは述べる。確かに、それも事実だろうし、農業で社会保険を整備し、ほかの産業と同等なレベルの給料を払うというのは決して容易なことではないだろう。農業という言葉の概念自体が「生産」を意味するのであり、販売や加工あるいはレストランを作り、サービスで商売をすることは農業の範疇に入らない。農業生産法人で自己資本を増強しようとしても25%以上は耕作者以外の資本を入れることができない。そんな制約があるのは事実である。
でも、人を雇うことに苦労するのは、ほかのどんな商売も同じなのである。どんな経営者も思い通りに行かずに苦労しながら、それでもそれに取り組んでいるのだ。
そこで、今回の特集ではまず、働きに来る者についてとやかく言う前に、経営者としての貴方が、そして貴方の農場が、果たして人を雇い、それを育てるに足る経営者や農場になっているのかを自問してみるところから始めてはいただけないだろうか。
雇う側の理想、そして現実
家族型経営であれ企業型経営であれ、農業経営の発展を考えるのであれば、農場スタッフの雇用をどうするかという問題にぶち当たる。そして、「こうしたい」という思いがありながらも、必ず理想と現実のギャップを感じることになる——。今、「人材・人財」について考えていることとは何か? 本誌読者にファックスアンケートを行なった(有効回答数=22経営体)。なお、引き続き意見を募っているので、ご意見のある読者はホームページなどからお寄せいただきたい。
●Column
雇用環境整備の意義
法的義務ではなく、経営イノベーションの必要条件として
●農希望者側が感じる経営者の問題点とは
雇う側に問題があるとわかってはいても、具体的にどこをどうしたらいいのかは、自身の問題だけに気づきにくいものだ。そこで、農林漁業専門の求人サイト「第一次産業ネット」を運営し、雇われる側の考えにも精通しているライフラボ・西田裕紀社長に、雇う側の問題点や注意点、その対処法について助言をお願いした。
●座談会
「人材」を育て、「人財」にする経営とは?
田中 進氏 農業生産法人1サラダボウル 代表取締役×須藤 久雄氏 1アグリアドバンス 代表取締役
雇用という悩ましい問題に向き合い、「人材・人財」を育成する経営とはどのようなものか——スタッフを経営者に育て、グループ農場を任せている須藤久雄氏と、就農支援を行なうNPO「農業の学校」の運営もしている田中進氏に、それぞれの雇用に対する考えや取り組みを聞いた。
(以下つづく)
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