農業経営者コラム | ヒール宮井の憎まれ口通信 | ||
グランプリ受賞者に
疑問→分析→納得→祝福 | 農業経営者 5月号 | (2009/05/01)
3月1日から3日間、本誌読者の会、第2回全国大会が行われた。昨年の参加者から面白いと聞いていたので、今回勉強のため出かけた。期待したのは、どのような方たちが集まり、全国のどのような成功例が聞けるかということ。事実、本誌の特徴である左翼から右翼、もちろんオカルトあり話を初デートの時の気持ちで心ワクワクさせて拝聴することになった。
彼は『サイロール』という自社ブランドである良質なサイレージをロールべールにして、つまり付加価値を付けて販売している。
この南九州地域においてコーンの栽培はおろか、良質なサイレージの購入となると極端な場合、東北か北海道からの購入をしなければならないが、坂上さんはそこにビジネスチャンスを見つけたのだ。
本当は意地悪に「小手先、一本!」にしようかと考えたが、冗談の分かる坂上さんは許してくれても、彼のマーケットがこの言葉のエックスキューズを許さないだろう。
一昨年の11月、読者の会のセミナーで彼の仕事を聞く機会があった。正直なところ、何がすごいんだ? 北海道のそこそこの酪農家はやっていることなのに鹿児島ではやっていないのか? そうなんです。坂上さんの高品質のロールを購入する畜産関係者は、怠け者が多いと感じてしまったのです。つまり鹿児島の各畜産農家の努力が足りないということです。そのような、その日暮らしの畜産農家と商売してプライドはないのだろうかと思ったが、北海道のような絶対的な土地がない環境の下で、鹿児島のように畜産が繁栄している地域性を考えれば、高品質の餌の供給が急務となるのは当然とも思える。
坂上さんのビジネスセンスは素晴らしく、そして正しいのだが、意地悪で言いたかった小手先の良い意味である“チョットした機転”から生まれた需要と供給の問題を是正する産業と思った。また、農政に乗っかって、100ha分の転作の産地つくり交付金をせしめているこの私と、怠け者の九州の畜産農家に囲まれてそれで儲ける坂上さん、とどちらが悪徳農民なのだろうか? とも考えさせられた。
(以下つづく)
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