提言 | 視点 | ||
分からないのか、分かろうとしなかったのか | 農業経営者 6月号 | (2009/06/01)
経営に意味ある指標なのか?
たとえば、土壌pHという土壌化学性の代表的指標について。作物にはそれぞれ最適な土壌pHがある。しかし、pH改善を行ない、その指標内に収まったからといって、収量や品質が必ず上がるわけではないし、どの程度良くなるのかも分からない。土壌化学性のあらゆる指標も同様である。指標こそ存在するものの、収量や品質が良くなるのか、悪くなるのか、分からないのである。
さらに、農業における基本的な生産能力である「地力」を、客観的な基準(定量的な数字)に置き換えることもできていない現状がある。
だが、地力=基本的な生産能力を数字に置き換える、他産業では当たり前のことができなかったのは、農業経営者あるいは私のような農業にかかわる人々が「ほかの多くの要因があるから」ともっともらしいことを言って、答えを導き出す作業を怠ったからである。
農業技術は、限界がきている。劇的な収量増はもはや望めない。地道な改善が必要だ。しかし、数字に置き換えなければ、これら微妙な数字の変化をとらえることができず、本当に改善がなされたのか、投資に見合ったリターンが得られているのか、把握することができない。
産業化とは定量化である
農業経営者が、農地で農産物を作ると決めても、どの程度の収量を得られるか作ってみなければ分からない、という段階では農業の産業化の道は険しい。だが、私たちは今、いくらかの賛同者とともに「必要な収量を必要な時期に必要な品質で得るには、何が、いつ、どのように、どのくらい必要なのか」を数字で明らかにする作業に取り組んでいる。困難な挑戦だが、糸口はつかめつつある。本当の意味で農業が産業化していくには、このような取り組みが必須であり、農業の持続的な発展につながると信じている。
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