HOME >農業経営者とは
月刊『農業経営者』は、「土を作る事業者」としての自負を持ち、顧客への責任において農業を経営する農業経営者と関連産業人のための雑誌である。同時に当社は農業と「食」に関わる産業の永続性ある発展のために働くものである。
本誌が考える「農業経営者」とは、単に耕作規模や売り上げの大きいだけの「生産者」のことではない。マーケットや顧客の存在を意識し、そのために事業、職業として農業に取り組むもののことだ。
二十一世紀を迎え、我が国の農業はこれまでの「官」が指導管理する農業から「食べる者」への責任を自覚する農業経営者がリードする農業へと変わるべき時に来ている。そしてそのためには、農業経営者と共に民間の個人や企業が理念と技術知識を共有し、消費者により多くの農業技術と農産物についての正しい情報を提供していくことが必要とされている。
本誌はこう考える。
農業経営者はもとより、技術開発企業から流通・消費企業まで「食」に関わる物すべてが食べる者のために働く「食産業人」であると。そして私たち食産業人は、それぞれの責任と自負において多様な顧客ニーズの中で必要とされ選ばれていくものであると。
「夢」を見るのにお金はいらない。誰に頼まれるわけでもなく、誰のためでもない。自分自身の勝手な思い入れによってしか始まりようもない「夢」。現実には存在していない何事かを空想の中で創り上げ、その実現のために計画する密かな楽しみ。明確なイメージとして夢を心に描き続ける人には、計画が生まれ、手順が見えてくる。そして、辛抱強くその時を待つこともできるのだ。人生夢見た者勝ち。これは真実である。
「農業に後継者が育たないのは農業がもうからないからだ」、「日本農業が自由化の波に押し潰される」と言う人がいる。本当にそうなのだろうか。経営者自身がそう思うのであれば、すでに自ら白旗を揚げたことにはならないか。もしそうならば、その人自身に未来を切り開く勇気を持つだけの夢が無く、ただ現実に安住しようとしているからなのではないか。
「夢」を見ぬ者が経営者であり、子の親だとしたらどうであろう。いかに農業が大事な仕事であるかを語れたとしても、自らの仕事に夢がない親に後継者が付いてくるだろうか。まして自分の仕事がいかに辛い仕事であるか、自分の思い通りにいかぬかを背を曲げて子供に見せている親ならなおさらだ。
日本農業には未来がないかのように語られる。それは、農業経営者から誇りを奪い、敗北主義を語ることで自らの居場所を作る人々の妄言である。むしろ、世界一豊かな市場の中にいる日本農業には多様なビジネスチャンスが存在する。そして、世界市場も日本の農業を必要としているのだ。
要は「人」であり、経営者自身の夢や意志のあるところにこそ、道は開かれるのである。どんな制度や手厚い保護があったとしても、どれだけのお金や技術手段が存在したとしても、それだけでは足りない。むしろ一人一人の経営者の夢の中にこそ未来があるのだ。心を込めて思った夢は必ず実現する。であれば夢を見ることは、経営者や親にとって、後を継ぐものたちへの「義務」であり「責任」である。
本誌は市場社会、また多様な顧客に必要とされればこそ選ばれる、そんな農業経営者のための雑誌でありたい。
農業経営者編集長 昆吉則
刻々と変わりゆく農業時事、その背後には変わらぬ本質がある。それを見つめながら農業問題を解説する。
技術は経営の手段である。経営理念を背景にした技術のあり方を考え、高品質・高収量をもたらす土作り、機械化、栽培技術とは何かを根本から考える。
作業に、そして経営に。小さな道具から大型機械まで、農業経営に役立つ商品情報を毎月60点以上紹介。
全国の農業機械・資材メーカーの資料が本誌とじ込みハガキ1枚で入手できる。
通信販売のコーナーで、農業経営に役立つ商品や求めにくい機械・資材を読者価格で購入できる。