【(株)菊地鉄工所代表 菊地治樹 -
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機械とは不思議なもので、数多くのパーツから成り、物言わぬ鉄の塊であっても、愛情をもってこまめに接すれば、思い通りに働いてくれる。
1年近くこの連載を続けてきたが、特に難しい技術を伝えたわけではない。その機械の構造を理解した上で負担のかかる箇所を把握し、点検することが中心だった。恐らく「農業経営者」読者なら、どれも常日頃心がけていることだと思う。もしかしたら物足りないかもしれない。しかし、人間の体と同様、慣れと油断が大きなトラブルを生むのは機械も同じ。医者が健康にあぐらをかかず、定期的な検診を勧めるように、私も当たり前のことを口を酸っぱく言いたい。予防は治療に勝るのだ。
さて、今回は米麦の乾燥機、籾摺機のメンテナンスを紹介する。
最近の乾燥機はコンピュータ化されてきているが、基本的な作動構造は大きく変化していない。今回も前述したとおり基本的な点検箇所を中心に紹介したいと思う。(以下つづく)