月刊『農業経営者』では07年に読者のネットワーク「読者の会」を設立、セミナーや共同出展、海外視察ツアー等のイベントを定例化し、農業経営に役立つ情報提供と相互交流の場として参りました。 09年はその総括として、全国大会を一層充実したいと考え、3日間の日程で開催します。08年の全国大会は米倉誠一郎氏による基調講演で開幕し「イノベーションが農場を変える」がテーマでしたが、今回はカルビー(株)相談役 松尾雅彦氏に基調講演をお願いし、下記テーマで開催いたします。皆様お誘いあわせのうえご出席くださいますようお願い申し上げます。
[ 開催日 ]
2009年3月1日(日)〜3日(火)
[ 会場 ]
TKP田町ビジネスセンター ホール6C
住所:東京都港区芝4-8-2松下電工東京田町ビル6F
(JR田町駅から徒歩7分)
[開催テーマ](PDF(読者の会会報18号)はこちら)
日本農業のNEXT STAGE
官と政治が支配する農業の時代は、終焉を迎えようとしています。農業ビジネスの可能性は、国内マーケットに多様な形で広がっているだけでなく、海外マーケットにも大きなチャンスがあります。しかし、同時にその変化は、顧客やマーケットに対する農業経営者たちの力量が試される時代の始まりでもあります。
人口減少で縮小するマーケットの中で、腹を満たすカロリーだけを考える農業経営では、内外価格差による国際競争に勝てないだけでなく、顧客の支持をも失っていくでしょう。世界一コストの高い生産条件で、最もわがままな顧客層を抱える日本農業。そこでは単なる生産技術の革新や生産管理の改善だけでなく、独自の、あるいは異業種と連携した新商品や新サービスの開発が求められています。需要者なき生産は論外としても、新商品や新サービスの開発を伴わない農業経営は衰退せざるを得ません。また今後、直接支払いなどの形で政策的支援によって守られる農業分野においても、国民の了解を得られる経営実態を持つ農業経営でない限り、その負担に対する納税者の理解は得られないでしょう。
一方、豊かな社会にあっても価格志向の要求は存在します。しかし、安さだけでは顧客の満足は得られません。現代は「貧乏人は麦を食う」時代ではなく、お金持ちでも牛丼や立ち食いソバを食べ、フリーターでもグルメ雑誌で高級レストランを探す時代です。また、大資本による流通や小売があればこそ、小規模な農業事業の個性が輝く時代です。そして過剰の社会病理の中にある現代であればこそ、農業や農村、その風土や文化そのものを商品・サービス化し、人々に心の満足を提供する事業も、農業経営者たちの仕事なのです。
こうしたビジネスチャンスの中にある農業でありながら、農業経営者の事業者としての事業実態や意識の改革は十分でしょうか? 今年の全国大会では、初日に基調講演とパネルディスカッションを開催し、多様な日本農業の可能性とともに、そこで求められる農業経営者の課題を問います。そして2日目にはシンポジウム「世界を虜にするニッポン農業 ~先駆者たちから学ぶ、農産物輸出とMade by Japaneseの戦略~」、3日目には「農業ビジネスコンテスト A-1 GRANDPRIX 2009」を開催します。
月刊『農業経営者』編集長 昆吉則
[企画概要]
──────────────────────────────
3月1日(日) 13:00〜18:00
日本農業のNEXT STAGE
◎「先進国農業のこれからの姿(仮)」
●カルビー(株) 相談役 松尾雅彦氏
PROFILE:1967年カルビー入社。宇都宮工場長、取締役を経て、80年カルビーポテト設立と同時に社長就任。北海道を中心に全国でジャガイモの契約栽培と貯蔵体制を確立し、ポテトスナック原料調達システムを整備する。92年カルビー社長、06年から相談役。08年10月食品産業功労賞受賞。NPO法人「日本で最も美しい村」連合副会長を務める。
◎「多様な農業の可能性と、農業経営者への問い」
●カルビー(株) 相談役 松尾雅彦氏
●きわむ元気塾塾長 横川竟氏(元・すかいらーく会長兼CEO)
PROFILE:1962年、兄弟でことぶき食品有限会社を設立。その後、70年のすかいらーく創業以来、同社の代表取締役社長・会長以外にも日本フードサービス協会の会長として、日本の外食産業会をリードしてきた横川竟氏。日本の外食産業の生き証人ともいえる同氏に、創業と事業の成長、そして今こそ事業経営者として問うべきことにコメントをいただく。
●イーサポートリンク(株)・(株)農業支援 代表取締役 堀内信介氏
PROFILE:1983年協和薬品入社、取締役就任。98年ケーアイ・フレッシュアクセス取締役副社長就任。2000年イーサポートリンク取締役を経て、04年代表取締役社長に就任。農業経営者自身が価格決定権を持つ青果流通を実現すべく取り組んでいる新事業と、その意義についてご紹介いただく。また、そこでの農業経営者のあり方をコメントいただく。
●(株)谷口農場代表・北海道農業法人協会会長 谷口威裕氏
PROFILE:高校卒業後、(有)谷口農場に入社。減反政策からキノコ栽培を導入し、夏は水稲、冬はキノコの通年就業体制を確立。その後も経営複合化、有機農業への参入、付加価値農業の模索、お客様直結ビジネスへの移行、農業の多面的機能のビジネス化など、挑戦と失敗を繰り返して、売上高2億6450万円の(株)谷口農場に成長させる。北海道農業法人協会会長。
●(有)ベネット・全国直売所研究会事務局長 青木隆夫氏
PROFILE:1976年、埼玉種畜牧場入社。食肉加工販売、関連食品、レストランで年間50億円を直売する同社に、楽農部門を設立。地元農家50名及び全国の農家とと直売所「楽農ひろば」を新設。運営管理に携わる。2001年(有)ベネット設立、代表取締役。農業書出版、コンサルティング、農畜産物の販売プロモーションを手掛ける。全国直売所研究会事務局長。
※ コーディネーター 月刊『農業経営者』編集長 昆吉則
──────────────────────────────
3月2日(月) 10:00〜18:00
世界を虜にするニッポン農業
先駆者たちから学ぶ、農産物輸出とMade by Japaneseの戦略
◎「Made by Japanese(海外生産)の将来」
※2009年2月実施「 ロシア沿海州視察ツアー」報告を含む
●月刊『農業経営者』編集長 昆吉則
PROFILE:1949年神奈川県生まれ。84年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。93年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
●和郷園代表 木内博一氏(タイでマンゴー・バナナ生産)
PROFILE:1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社㈲和郷を、98年生産組合(農)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開を進める。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。
●木村農園代表 木村慎一氏(ウクライナで大豆生産)
PROFILE:1950年青森県生まれ。76年に仲間2人と(農)黄金崎農場を設立。同農場でジャガイモ、小麦、ダイコン、大豆などの生産に取り組み、経営面積計468ha(03年)の大型農業法人へと拡大。その後独立、ウクライナで大豆を栽培して日本に輸出する事業を進める。2008年は日本とウクライナを往復し、試験栽培として約300haの大豆作に着手している。
●(有)ストロベリーフィールズ゙代表 遠藤健二氏(ベトナムでイチゴ生産)
PROFILE:1966年宮城県生まれ。農業コンサルタントを経て、98年マレーシアに渡る。日本に比べ物価は3分の1、借地料は10倍という環境で、イチゴとトマトの農場を経営。99年帰国して、茨城県に㈲ストロベリーフィールズを設立。06年ベトナム・ホアビン省で現地法人を設立。「日本に金を持ち帰らない」をコンセプトに高品質なイチゴの生産販売事業を準備中。
●片山りんご(株) 代表 片山寿伸氏(ヨーロッパへのリンゴ輸入)
PROFILE:1960年青森県生まれ。東北大学で西洋哲学を専攻後、父のもとでリンゴ栽培の道へ。92年より1年間、スペインでリンゴの袋かけを指導。価格暴落を機にリンゴの海外輸出をめざし、99年よりイギリス、2004年には中国への輸出を実現する。04年ユーレップGAPを取得後、日本版GAPの普及にも尽力する。日本GAP協会では第2期理事長を務める。
●(株)生産者連合デコポン 代表 井尻弘氏(香港とシンガポールへの野菜宅配)
PROFILE:1961年愛媛県生まれ。大学卒業後に農業改良普及員となるが、農薬や化学肥料を使って見かけのよい農作物を生産販売する農業に疑問を感じて退職。94年千葉県の農業者約70名と生産者連合デコポンを設立、栽培方法にこだわった野菜の流通 事業を始める。現在、輸出事業として2週間に1度、香港・シンガポールの350世帯に宅配。08年からはタイでも試験的に宅配を始めている。
──────────────────────────────
3月3日(火) 10:00〜18:00
A-1 GRANDPRIX 2009
農業経営者が自らのビジネスプランをプレゼンテーション!ここからマーケット本位の農業事業を創出します。
指導や啓蒙の対象に過ぎない「農民」から、自ら事業を企画し、その事業の可能性を出資者や行政にプレゼンテーションする「農業経営者」へ。農業経営者が自らビジネスプランを発表して、投資家や産業界の支援者と出会い、顧客本位の農業事業を実現する場をつくる。それが、農業ビジネスプランコンテスト『A-1 GANDPRIX 2009』の目的です。A-1大賞受賞者には賞金100万円を贈呈するほか、協賛企業による特別賞もあります。
●農業と農業関連事業について
例)農産物の生産・加工・流通、種苗、農業機械、農業化学、農業関連設備、その他農業関連のサービスを提供する事業。
●農業・農村を経営資源とする経営モデル、あるいは農業の周辺事業分野で農業のイノベーションに繋がる技術やサービスについての事業
例)直売所経営、地場供給、契約生産、環境、教育、コントラクター、
農場を使ったエンターテインメント、海外マーケット……。
●審査委員長=宮城大学大学院研究科長 大泉一貫氏
●(株)日本経済新聞社・編集委員 樫原弘志氏
●(株)サイバーエージェント・インベストメント代表取締役社長 西條晋一氏
●JAIC シードキャピタル(株)代表取締役社長 佐々木美樹氏
●カルビー(株) 相談役 松尾雅彦氏
※ 応募にあたって年齢、学歴、国籍、農地所有、経営規模、農業経験など一切不問です。
※A-1 GRANDPRIX 2009の応募資料は下記の「お問い合わせ・お申込はこちら」よりご請求ください。
──────────────────────────────
[ 受講料 ]
・3月1日(日)日本農業のNEXT STAGE
定期購読者:15,000円/一般参加者:20,000円
・3月2日(月)世界を虜にするニッポン農業
定期購読者:15,000円/一般参加者:20,000円
・3月3日(火)A-1 GRANDPRIX 2009
定期購読者:15,000円/一般参加者:20,000円
・3日間通して参加【お得です!】
定期購読者:35,000円/一般参加者:55,000円
※受講料には、参加料、テキスト代、3月2日と3日の昼食弁当代が含まれます。
※受講料には、3月1日、2日、3日の懇親会費(5,000円/日)と宿泊料は含まれません。
※29歳以下の定期購読者、および4Hクラブ会員は各日10,000円(3日間通しは30,000円)、一般参加者には各日15,000円(3日間通しは45,000円)で参加できる若手割引が適用されます。