【株式会社アースワーク 代表取締役 松浦助一 (福井県大野市)】
「日本の農業の世界には不思議なことがたくさんあるんですが、そのひとつが農産物に生産メーカーがいないことなんです」アースワークの代表取締役を務める松浦助一は、大きな目をぎょろりとさせて言った。
「例えば、車でも電化製品でも、どんな商品にも、必ず生産メーカーというのがありますよね。でも、農産物の場合、生産メーカーの役割を担っているのは都市部の問屋です。そこで農家から集めたコメに、○○印の○○米みたいな名前をつけて売る。でも、そのコメの生い立ちをきちんと知っているわけではない」
コメの流通・販売をめぐるシステムへの疑問から松浦が立ち上げたのが、無農薬栽培のコメを中心に、その生産から販売までを手がける会社「アースワーク」である。アースワークでは、コメのほかに、無農薬米を使った餅や日本酒、地元の福井県大野市産の里芋なども手がけ、その売り上げ総額は3億に達している。(以下つづく)