【NPO法人日本GAP協会事務長 武田泰明】
今、大きな問題として、生産側と消費側の信頼関係が失われている。生産者と中間流通・小売業がともに膨大なペーパーワークに追われ、特に買い手側は生産者に様々な書類を要求する。
安全・安心を議題から外す
信頼が失われたのは、世代が代わったからだとする見方がある。戦後、農村から都市に出てきた第1世代にとって、農村は故郷だった。彼らの子供たち、第2世代にとっても、農村は帰省先であり、祖父母のいる場所だった。
だが今や、都市で生まれ育ち、そこから出ていかない第3世代が消費の中心になった。「純粋な消費者」が誕生したとも考えられる。ここに至って、農村と都市、生産と消費の間にあった無条件の信頼関係が成り立たなくなった。