【有限責任中間法人 食の検定協会代表理事
内田 啓祐】
私は商社にいた頃、発展途上国の農業事情が一向に好転しない現状に触れ、他方、効率化をとことんまで追求する米国の最新農業を目の当たりにした。独立し、資材会社を設立してからは、日本各地を回り、高齢化や農産物価格の低迷などで衰退しつつある国内農業に危機感を覚えた。
今、私たちは経済的に恵まれた生活を送り、お金さえ払えば、大量の食料の中から好きな物を選んで食べられる。しかし、この状態はいつまで続くかわからない。日本の農業を守るには、消費者の意識改革こそ重要ではないか。そう考えたのが、食育事業に取り組み始めたきっかけだった。